県の「食の匠特産」に認定 あんぽ柿品質向上へ意欲 南砺の福蜜柿生産組合

とやま食の匠の認定証書を手にあんぽ柿の出荷に意欲を示す岩﨑組合長(左)=南砺市大西

  ●今年も30万個出荷へ

 南砺市特産の干し柿「あんぽ柿」を専門に生産する福蜜(ふくみつ)柿生産組合が先月、県の「とやま食の匠 特産の匠部門」の認定を受けた。あんぽ柿の発祥地である福島県伊達市から乾燥技術を学び、1991年に設立された組合は、今年も昨年並みの約30万個の出荷を予定しており、岩﨑誠組合長(75)は「県の講習会にも参加して品質向上に努め、魅力をさらに広めたい」と意欲を見せている。

 福蜜柿生産組合の組合員は10人。南砺市内には他に、干し柿とあんぽ柿を作る富山干柿出荷組合連合会があり、同組合員数は約170人となっている。

 「とやま食の匠」は10年以上の実務経験があり、農産物の生産や加工に関する卓越した知識や技能を持つ個人や団体が認定される。

 福蜜柿生産組合は市に勧められて応募し、干し柿の団体では、富山干柿出荷組合連合会に続く二つ目の認定を受けた。

 福蜜柿生産組合は、堆肥を使い、低農薬、低化学肥料の農業に取り組んでおり、県のエコファーマーにも認証されている。国の「みどりの食料システム法」に伴って昨年7月に新設された、環境負荷の低減を図る事業活動に関する計画の認定制度に対応した団体への移行も目指している。

 岩﨑組合長は「小回りの効く組織なので、県の食のイベントに積極的に参加して、あんぽ柿を発信したい」と話した。

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