氷見に新たなハクチョウの里 布施の田んぼ

羽を休めるハクチョウ=氷見市布施

  ●住民が世話、飛来本格化

 氷見市指定名勝「布勢の円山(まるやま)」近くの田んぼがハクチョウの観察スポットとして定着してきた。地域住民の世話のかいあって100羽超が集まるようになり、愛好者や家族連れらが立ち寄る場所となっている。今月上旬から飛来シーズンが到来し、氷見の新たな「ハクチョウの里」が活気づいてきた。

 布施の田んぼは約3千平方メートル。住民が7年ほど前から収穫後に水を張った田んぼを用意したところ、群れが飛来するようになった。四方は稲刈り後の田んぼに囲まれ、餌となる二番穂が数多く生えている。

 近くに住む川邊広治さん(66)らが世話をしており、飛来シーズンになると、朝、昼、夕の3回、餌やりするほか、野生動物などが近づいて傷付けないようパトロールし、ハクチョウが安心して羽を休められる環境を整えている。

 飛来数の増加に伴い、観察や写真撮影に訪れる愛好者の来訪も年々増えている。川邊さんによると、今年は例年並みの今月初旬からコハクチョウが集まり始め、16日までに約20羽が飛来した。川邊さんは「会うのが冬の楽しみになっている。今シーズンもたくさん来てほしい」と目を細めた。

 市内では、数年前までは十二町潟水郷公園がハクチョウの観察場所の定番だったが徐々に布施の田んぼでみられるようになったという。長年、市内でハクチョウを観察している女性は「最近は多くの愛好者が十二町潟ではなく、布施の田んぼに見に行くようになった」と話した。

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