どうする?朝乃山 九州場所、18日に中日取組発表 休場なら負け越し

  ●福岡市で調整

 大相撲九州場所(福岡国際センター)で、東前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は休場したまま序盤戦を終えた。中盤戦に入る17日も取組が組まれず、18日に発表される中日の取組表に名前が載らなければ、復帰後初めて負け越しが決まる。朝乃山は福岡市の宿舎で調整を続けながら、途中出場の可否を判断することになる。

  ●回復は「順調」

 一年納めの九州場所で、出場停止処分を除いて初めて初日から休場が続いている朝乃山。現役力士の中でトップクラスの人気を誇るだけに、相撲ファンからも「朝乃山の相撲が恋しい」との声が漏れる。

 朝乃山は秋巡業中に負った左ふくらはぎ肉離れの回復が間に合わず、休場を決断した。日本相撲協会に対して「左腓腹筋(ひふくきん)損傷で3週間の安静加療を要する」との診断書を提出しており、治療に専念する考えだ。一方で場所に入ってからも福岡市内にある高砂部屋宿舎の稽古場で調整を続けており、部屋関係者も回復は「順調だ」とする。

 焦点は途中出場できるかどうかだ。平幕最上位の番付で、勝ち越せば三役昇進も濃厚だが、万全ではない状態で出場すれば本来の相撲が取れず、より大きなけがにつながるリスクをはらむ。

 先場所をけがで全休した伯桜鵬は番付が西前頭9枚目から西十両6枚目まで一気に14枚下がって幕内からも陥落している。朝乃山も全休となれば、幕尻付近まで番付が落ちることになり、最初の目標とする三役が一気に遠のく。

  ●途中出場の可能性

 仮に負け越しても出場して一つでも多く白星を重ねることで番付の降下を最小限にとどめ、来場所につなげることができる。朝乃山自身も「痛みが取れれば、出るつもり」と話しており、出場への意欲は強い。

 元関脇の豊ノ島氏は、肉離れは癖になりやすく、無理をすれば反対の足に負荷をかけることになるとし、出場の判断の難しさを指摘する。けがとの付き合いは避けて通ることができないだけに「この世界で闘う上で、無理は多少も必要だし、みんな痛いところがある中でやっている。そこの見極めをしっかりやってもらいたい」と求めた。

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