子ども略取にベラルーシ関与 ウクライナから、米報告

 【ワシントン共同】ロシアによる戦争犯罪の証拠を収集する米国務省の関連団体「紛争監視団」は16日、ウクライナからの子どもの連れ去りにロシアの同盟国ベラルーシが関与していたとの報告書を公表した。計画ではプーチン、ルカシェンコの両大統領が最終的に意思決定し、治安機関が進めていたとしている。

 報告書によると、ロシアがウクライナに侵攻を始めた昨年2月から今年10月までに、6~17歳の少なくとも2442人がウクライナから連れ去られ、ベラルーシの13カ所以上の施設に移された。

 障害のある子や貧しい家の子、孤児ら社会的弱者が標的とされ、ロシア連邦捜査委員会と、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州の教育省が選定。ロシアを経由し、鉄道でベラルーシに運ばれた。

 移送先には軍事訓練を施す施設のほか、ロシア側の体制支持への再教育施設が含まれる。病院で「リハビリ」と称した内容不明の医療措置を受けた子どももいた。

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