青森県産リンゴ、10月平均価格が過去最高 1キロ460円 猛暑影響で全体入荷少なく

 青森県は16日、2023年産県産リンゴの10月の流通実績を公表した。首都圏など県外主要5消費地市場の1キロ当たり平均価格は、平年を50%(153円)上回る460円で、10月単月としては統計が残る1980年産以降で最も高かった。春先の降霜や夏場の高温の影響で、他県産を含むリンゴ全体の入荷量が少なく高値傾向となり、10月として初めて400円台を超えた。

 1キロ当たり平均価格を品種別に見ると、つがるが平年比37%高の350円、ジョナゴールドが同68%高の424円、早生(わせ)ふじが同51%高の500円だった。

 10月の県外出荷数量は2万1034トンで平年比18%減。県りんご果樹課によると、猛暑で日焼け果などが多発した中、生育が早まり出荷が前倒しで進んだことから、つがるなど早生品種の数量が少なかった。円安の影響で輸入果実も出回りが少なく、果物全体が品薄気味で高値傾向となった。

 同課の松江利英課長は「例年、年末にかけては贈答需要が高まる時期。今年の県産リンゴは糖度が高く果実肥大も平年以上で非常に良い仕上がりなので、高値は続くのでは」との見方を示した。一方、「値頃感がなくなり買い控えが起きないよう、品質の良さなどをPRして他の果物と差別化し(消費者に)選んでもらえるようにしていきたい」と話した。

© 株式会社東奥日報社