「農業とアスリートは相性がいい」JFLラインメール青森・多々良選手が企画、6選手がリンゴ収穫体験

リンゴを収穫する多々良選手
リンゴ園を訪れたラインメールの選手たち。右から3人目は工藤専務

 日本フットボールリーグ(JFL)のラインメール青森の選手6人が13日、青森県平川市のリンゴ生産販売業「釈迦のりんご園」の園地を訪れ、収穫を体験した。人手不足の農家を支援するとともに、選手にとっては競技とのダブルワーク(兼業)、セカンドキャリア(現役引退後の職業)として農業が新たな選択肢に入ればと、多々良敦斗選手が主導して企画した。

 平川市広船にある5.5ヘクタールの園地に多々良選手のほか、住永翔(青森山田高出)、三文字瑠衣(同)、引間大聖(八戸学院大出)、東島大成、稲葉楽の各選手が訪れた。

 選手たちは同社の工藤峰之専務から収穫方法を教わり、つるを取らないように気を配りながら赤く実ったサンふじを丁寧にもぎ取った。選手はいずれも県外出身。リンゴ収穫は初めてという神奈川県出身の東島選手は「楽しくて新鮮な気持ち。今回は収穫体験だったが、育てるには多くの苦労があると思う」と話した。

 県りんご協会で青年部長を務める工藤専務は「アスリートは身体能力も高く、体力もある。労働力不足解消に期待できる」と話す。今回の収穫体験をきっかけとし、同協会青年部はアスリートが農業に携わる取り組みを来年から試行する。

 多々良選手は県外チームに在籍していた数年前、農家と話をする中で深刻な後継者不足の現状を知ったという。「農業とアスリートは相性がいいと感じている。農業が盛んな青森で両者をうまくマッチングできれば」と展望を語った。

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