能美、小松両市で生産される「加賀丸いも」の初競りは17日、金沢市中央卸売市場で行われ、最上級品「プレミアム」の1箱(2個入り・約1キロ)は4万2千円で小松市粟津温泉の旅館「のとや」が競り落とした。1個当たりの価格は2万1千円で、昨年の2万円を上回って4年連続で最高値を更新した。
加賀丸いもは山芋の一種で、栄養価が高く、強い粘り気が特長となる。2017年に設けられたプレミアムは大きさがLサイズ(450~600グラム)で、形が良い「特秀」の中から特に優れた丸いもが選ばれる。1万個に3個程度と希少性が高く、加賀丸いものロゴが入った専用の1箱が競りに掛けられた。
のとやの神田学総料理長(52)は「加賀丸いものおいしさと生産者の努力をお客さまに伝えたい」と話した。プレミアムは17日の夕食から、とろろや天ぷらなどに調理して宿泊客に振る舞うという。
加賀丸いもの秀品が6、7個(3キロ)入った25箱は、1箱3千円で競り落とされた。今年は例年並みの約90トンの出荷を見込む。
南加賀地区丸いも生産協議会の片山滋(しげる)会長(65)は「高い値段で競り落としていただいて、知名度向上につながった」と笑顔を見せた。