逮捕の警部補、万引き容疑で8月に書類送検 京都府警は公表せず

京都府警本部

 京都府警の捜査員が職務で訪れた民家から現金を盗んだとされる事件で、窃盗容疑で逮捕された府警捜査2課警部補の男(57)が、捜査費を数年にわたって少なくとも複数回、私的に流用していた疑いがあることが11月17日、捜査関係者への取材で分かった。また、府内の商業施設で万引をしたとして窃盗容疑で書類送検されていたことも判明した。

 捜査費は、犯罪の捜査にかかる諸経費や情報提供者に支払う謝礼などで、国や府の予算が原資となっている。捜査関係者によると、警部補は今年春ごろに別の不正行為が浮上し、任意で事情を聴く中で「盗みをしたことがある」と話したことで民家での窃盗事件が発覚。調べの中で「捜査費を不正流用したこともある」との趣旨の説明もしたという。府警は警部補が過去、数年間で複数回にわたり捜査費を私的に流用したとみて、詐欺や横領の疑いも視野に捜査する方針。

 また、捜査関係者の説明では、警部補が府内の商業施設で商品を万引したとして府警が今年8月、窃盗容疑で書類送検していた。府警は万引事件について公表していない。

 警部補の民家窃盗事件を巡っては、伏見署に勤務していた2019年7月、変死事案の捜査中に民家から現金約10万円と腕時計を盗んだとして、16日に逮捕された。捜査関係者によると、警部補は防犯指導で訪れた認知症の高齢者宅でも現金を盗んだとも説明しており、多額の余罪があるとみて府警が捜査している。

 府警は17日、窃盗容疑で警部補を送検した。

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