米人気歌姫、コンサートで〝禁止図書〟2000冊配布へ「学校が本を禁止するなんて我慢ならない」

人気歌姫・ピンクがフロリダでのコンサートで、禁止図書2000冊を無料配布するという。自身のドラッグ体験から中絶に関する女性の権利のサポートまで、その率直な姿勢で知られるピンクだが、今週開催される公演でフロリダ州が禁止した図書を配るそうだ。

同州では、禁止図書に関する議論が続いており、「本は私にとって子供の時から特別な喜びだった。よって学校が本を禁止するなんて我慢ならないし、見逃してなんかいられない」と話したピンク、フリースピーチの団体「PENアメリカ」とタッグを組み、今回の計画に至ったという。

ピンクと同団体はトニ・モリソンの『ビラヴド』、トッド・パーの『ザ・ファミリー・ブック』、ステイシア・ドイツの『ガールズ・フー・コード』、そしてジョー・バイデン米大統領が2021年1月の大統領就任式で引用したことでも知られるアマンダ・ゴーマンの詩集『ザ・ヒル・ウィー・クライム』の4冊を配布図書としてチョイス、同団体のデータベースによると、昨年から今年にかけての学年度で、アメリカの公立学校で3362冊の本が禁止され、そのうちの40%以上がフロリダ州の学校によるものだったそうだ。

同州のロン・デサンティス知事(共和党)は2022年に「教育における親の権利」と呼ばれる法案に署名、別名「ゲイと言ってはいけない」で知られるこの規則は小学校において、性的指向や性自認に関して話し合いの場をもうけることを禁止していた。

昨年6月、2人の子供を持つ母親でもあるピンクは、女性の子宮に政府が介入することを良しとする自身のファンを非難、自分の音楽を聴くのを止めて欲しいと明かしていた。当時「『ロー対ウェイド』判決を連邦最高裁が覆し、アメリカに住む多くの女性にとって中絶が違法となることを受けてピンクは声明を提出してもいた。

最高裁は2022年6月24日に、妊娠15週以降の中絶を禁止するミシシッピー州法を支持する判決を下し、1992年の『プランド・ペアレントフッド(全米家族計画連盟)対ケイシー』の肯定判決によって確立された主要な判例も覆すかたちとなった。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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