サインツ、コースの不備によるPU交換で10位降格。スチュワードは同情も、フェラーリが求める救済措置を却下/F1第22戦

 フェラーリは、F1ラスベガスGPのFP1でサーキットの路面の問題によりカルロス・サインツのパワーユニット(PU)エレメントを交換しなければならなくなったことから、グリッド降格ペナルティを免除する措置を求めた。スチュワードは、サインツに同情を示しながらも、レギュレーションに従い、フェラーリの要求を却下した。

 新設されたサーキットでの初めての走行となったFP1で、マンホールカバー周辺のコンクリートのフレームが破損、その影響でサインツのマシンがダメージを負った。その結果、フェラーリは、サインツ車のサバイバルセル、ICE、エナジーストアと関連するコントロールエレクトロニクスを交換することになった。

 そのうち、エナジーストアはシーズン中に使用が許可されている基数を超えての交換になり、通常ではグリッド降格ペナルティを受けることになるが、フェラーリは、ペナルティの免除を求めた。

2023年F1第22戦ラスベガスGP木曜 マンホールカバーによりダメージを負ったカルロス・サインツ(フェラーリ)のマシン

 スチュワードは、「ダメージは極めて異常な外部環境によって引き起こされた」と認めたものの、これを定める規則に関しては、スチュワードを含めすべてのオフィシャルが、規定どおりにレギュレーションを適用するよう義務付けられているとして、サインツにペナルティを科すという決定を下した。「スチュワードは、もし本件を、ペナルティを軽減するような、異常で不運な状況であると考えて、免除を認める権限を持っていたなら、そうしただろう。しかし、レギュレーションはそのような措置を認めていない」と、声明には記されている。

 サインツのエナジーストアはシーズン3基目であり、規定で使用が許可される基数(2基)を超えたため、決勝で10グリッド降格のペナルティを受けることが決まった。

 アクシデント直後、フェラーリは、サインツ車のダメージが大きいことから、FP2では走行できないと述べていた。しかし、コースの点検・修復のためにFP2の開始が2時間半延期されたことで、サインツは出走が可能になり、チームメイトのシャルル・ルクレールに続く2番手タイムを記録した。

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