長崎県マイナンバー誤登録 1994件、9月から確認 別人の情報が閲覧可能に

 長崎県は11月17日、マイナンバーに別人の障害者手帳の情報をひも付ける誤登録が計1994件見つかったと発表した。ひも付けで使うプログラムの設計誤りが主な原因。対象者がカード取得者向けサイト「マイナポータル」で別人の情報を閲覧できる状態となっていた。ただ県は、氏名や生年月日、住所といった個人を特定できる情報は含まれていないとしている。
 障害者手帳のうち、知的障害者の療育手帳が最も多い1979件で、県内所持者らの約1割に当たる。ほとんどは手帳のデータを中間サーバーに登録するプログラムの設計に問題があった。県職員の事務作業で生じたのが1件あった。
 このほか、精神障害者保健福祉手帳12件、身体障害者手帳3件の間違いが判明。いずれも県市町職員が転記を誤るなどの「人為的なミス」という。
 マイナポータルでは、手帳所持者が手帳番号や交付時期、障害程度などを確認できる。誤登録された対象者は、別人の情報を閲覧できる状態だったが、氏名などの個人を特定する情報は含まれず、県は「個人情報が第三者に閲覧されることはない」としている。現在サイト閲覧を停止しており、データの修正や点検を経て今月末までに再開する。
 県は対象者に文書で通知し謝罪した。県障害福祉課は「(マイナンバーに対する)不安を与えたことをおわびする。確認作業の徹底など再発防止に努める」としている。
 マイナンバーのひも付けを巡っては、6月に静岡県で障害者手帳の誤登録が発覚し、厚生労働省が全国の自治体に点検を通知した。本県は9月から確認作業を進めていた。


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