コロナ5類移行から半年 長崎県民の意見さまざま 「家族は自分で守る」 感染対策は徹底も

奉納踊りが4年ぶりに復活した長崎くんち。諏訪神社の長坂ではマスクを着けていない人が目立った=10月7日、長崎市

 「おくんちを見学できた」「ライブで声を出した」「長崎県外にも行くし、外食もするが、マスクは手放せない」「何ら変わらず対策を続けている」-。新型コロナウイルス感染症の「5類」移行から半年がたち、暮らしぶりが変容した人もいれば、あえて変えない人もいる。長崎新聞社の情報窓口「ナガサキポスト」に寄せられた声の一部を紹介する。
 部活動など学校生活でさまざまな制約を受けた子どもたち。雲仙市の50代男性は「長男のときは大会がほとんど中止になった」が、「次男の部活で大会ができるようになり、修学旅行にも行けるようになった」。同市の30代女性も「声出し応援もできるようになり、コロナ禍でも頑張った成果が現れ始めている」。小学生の子どもがいる長崎市の40代女性は「4年生になって初めて友だちとおしゃべりしながら給食を食べることができた」と変化を歓迎する。
 精神的な負担についての意見も。西彼長与町の40代男性は「コロナ禍で一番怖かったのはウイルスそのものよりも人間関係。さまざまなことが起こるたびに文句を言いあったり、責任を追及したり、人の目を気にしたり、落ち込んだり、嫌なことがたくさんあった。いろんなことを気にせずに人と関われることが本当にうれしい」。一方で、離島地域に住む30代女性は、5類移行後も「島内はほぼマスク。長崎に出るとノーマスクという温度差に戸惑うことがあった。誰が感染したといううわさも引き続き広がり、島は閉鎖的」と感じている。
 職業柄、対応が悩ましいという人もいた。高齢者施設を経営する50代男性は、5類移行の当日に施設内で感染者が出て、入所者やスタッフに広がった。「この体験がトラウマとなって最近まで面会が条件付きになっていた」。医療・福祉関係者からは「仕事中のマスクは必須」との意見が複数寄せられた。
 移行前と変わらず感染防止に努めている人は少なくない。病気で重症化リスクが高い妻を支える大村市の60代男性は「不要不急の外出は控えている。自分と家族は自分で守るしかない」。基礎疾患を抱える長崎市の60代男性も「5類といってもウイルスが弱くなったわけではない」とマスク着用を続けているという。


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