倉敷駅前に「一番街」という、ディープなエリアがあります。
そこにカフェ・バーやイベントスペースがひとつになった、おもしろい施設があるのです。
それが「Cafe&Bar KAG(カフェ・アンド・バー・カグ、以下:KAG)」。
地元の人が気軽に立ち寄れ、遠方から来た人は地元の人と交流し、倉敷を体験できます。そしてイベントも盛んに開催。地元・倉敷に密着したカフェ・バーです。
そんなユニークなスタイルの店「KAG」を紹介します。
KAGは倉敷一番街にあるカフェ・バー
KAGは倉敷駅前・阿知三丁目にあります。
「倉敷一番街」の北口から入って、すぐの場所です。
KAGがオープンしたのは、2018年(平成30年)4月。当初は1階をカフェ・バー、2階以上を宿泊施設として営業していました。
現在は宿泊施設としての運営はしておらず、1階のカフェ・バーのみの営業となっています。
KAGは、昼はカフェとして、そして夜にはバーとして営業。
さらに、イベントスペースとしても利用できます。
イベントはKAGが主催するもののほか、スペースの全体や一部を貸し切って、イベントを開催することも可能。
KAGでは、さまざまなイベントが開催されていますので、ぜひ公式サイトをチェックしてみください。
店内は、テーブル席がメイン。
カウンター席は、レジ前と窓際にあります。
窓際のカウンター席には電源があるので、ちょっとしたパソコン作業をするときにも便利。
無料Wi-Fiも利用可能です。
外には、テラス席もあります。なお喫煙はテラス席のみ可能です。
メニュー紹介
2023年(令和5年)11月時点の情報。価格は消費税込
KAGのフードメニューの看板は、ハンバーガー「KAGオリジナルバーガー」。
ボリュームがあり、こだわりの詰まったハンバーガーです。フライドポテトも付いています。
ほかに「ジャークチキンのグリル」「チキンオーバーライス」などもラインナップ。
また軽食やデザートもあります。
ドリンクでは、こだわりのエスプレッソマシーン「スレイヤー」でつくるエスプレッソコーヒーが名物。
さらに、店で仕込まれる「自家製レモネード」「自家製レモンスカッシュ」なども人気です。
ほかにも季節に応じた自家製ドリンクもあり、おすすめ。
アルコール類も充実しています。
KAGのイチオシ・人気のメニュー
KAGのイチオシメニューや、利用者から人気のメニューを紹介します。
KAGオリジナルバーガー
KAGを代表するフードメニューなのが「KAGオリジナルバーガー」です。
ボリューム満点のハンバーガーで、フライドポテトも付いています。
ハンバーガーに挟まれる具材は、以下のとおりです。
- パティ
- レタス
- トマト
- 赤タマネギ
- チェダーチーズ
- ピクルスソース
ピクルスソースは自家製です。
フライパンで刻みピクルスと、ケチャップ・マスタードをいっしょに煮詰めてつくります。
ボリュームがあって食べごたえ抜群です!
食べてみて、甘味のあるサッパリとしたソースにチーズの風味、野菜のシャキシャキ感などが一体となり、さらに“肉感”がシッカリと味わえるハンバーガーだと思います。
ジャークチキンのグリル
「ジャークチキンのグリル」は、ハンバーガー以外で人気のあるフード。
メインとなるジャークチキンは、サイズが非常に大きいのが印象に残ります。
厚みもかなりあります。
表面の皮はパリパリに香ばしく焼かれ、ほど良くスパイシーな風味。
そして鶏肉の中は、ジューシーでプリプリ!
とにかくボリューム感のあるジャークチキンです。
またワンプレートにジャークチキンのほか、サフランライスや野菜がいっしょに盛りつけられています。
栄養バランスも良いのが、とてもうれしいですよね。
ティラミス
デザートのなかでも、とくに人気なのが「ティラミス」です。
焦茶色と生成色の美しい層をしており、見た目も楽しめます。
こだわりは、エスプレッソマシーン「スレイヤー」で抽出したエスプレッソコーヒーをスポンジに染み込ませていること。
さらに、イタリア産のマルカルポーネチーズをふんだんに使っています。
また、ちょっぴりとラム酒を使っているのもポイント。
コーヒー
KAGのドリンクメニューで人気なのは、各種コーヒー。
倉敷は昔から喫茶店文化が発達しており、喫茶店が多く、コーヒー好きが多い土地柄です。そのため、KAGではコーヒーに力を入れています。
コーヒーのこだわりポイントは、エスプレッソマシーンです。
KAGでは、アメリカ・シアトル発祥のメーカーである「スレイヤー」のエスプレッソマシーンを導入。
岡山県内でも希少なエスプレッソマシーンを使い、エスプレッソコーヒーを抽出しています。
またコーヒー豆にも、こだわっています。
京都市にある人気のコーヒー店「%ΔRΔBICΔ(アラビカ)」でKAG向けに独自にブレンドされたものを、取り寄せて使っています。
こだわりのエスプレッソコーヒーを使ったドリンクは、以下のとおり。
- コーヒー
- ラテ
- カフェモカ
- キャラメルラテ
- ヘーゼルナッツラテ
このほか、自家焙煎豆を使ったドリップコーヒーもあります。
ビール
アルコール類のなかでも人気なのが、ビール。
KAGでは、おもに以下のビールがラインナップしています。
- 生ビール(キリン)
- ハイネケン
- コロナ エキストラ
- ギネス
- ハートランド
- OKAYAMA JIMOTO BEER
定番の生ビールもおすすめですが、注目は「OKAYAMA JIMOTO BEER 086(オカヤマ・ジモト・ビアー・ゼロハチロク)」です。
地元でつくられた、地元をイメージしたクラフトビールです。
取材時(2023年11月)は、5種類がラインナップしていました。
ボリューミーなハンバーガーやこだわりのエスプレッソコーヒー、開催されるさまざまなイベントが魅力的なCafe&BarKAG。
運営する株式会社 クラビズの代表取締役・秋葉優一(あきば ゆういち)さんと、KAGの店長・玉岡礼汰(たまおか あやた)さんへインタビューをしました。
代表・秋葉 優一さんと店長・玉岡 礼汰さんへインタビュー
ボリューミーなハンバーガーやこだわりのエスプレッソコーヒー、開催されるさまざまなイベントが魅力的なCafe&Bar KAG(カフェ・アンド・バー・カグ)。
運営する株式会社 クラビズの代表取締役・秋葉優一(あきば ゆういち)さんと、KAGの店長・玉岡礼汰(たまおか あやた)さんへインタビューをしました。
倉敷を訪れた人と地元の人とが交流できる場をつくりたい
──開店の経緯を教えてほしい。
秋葉(敬称略)──
もともと現在KAGがある建物は、「大熊旅館」という老舗旅館がありました。
しかし廃業となってしまい、長らく空き店舗だったんです。
大隈旅館はJR倉敷駅前という好立地だったのに加え、「倉敷一番街」という商店街にありました。
一番街は、倉敷の地元の生活が色濃く残る場所です。
いっぽうで、倉敷という町は観光地。
観光や仕事などでいろいろな人が町を訪れる場所です。
そこで「倉敷を訪れた人が地元の昔ながらの生活に触れ、地元の文化を知って、地元の人と交流ができる場をつくりたい」という思いが生まれました。
こうして2018年(平成30年)4月にKAGがオープンしたのです。
1階は昼がカフェ、夜がバー。
2〜3階は宿泊施設(ホステル)として営業を始めました。
しかし2020年(令和2年)に入り、新型コロナウイルス感染症が流行したため、宿泊客が激減したんです。
もともと私は、新ビジネスを開始するときにバックアッププランを用意して始めます。
コロナ禍対策として、宿泊事業を休止し、あらかじめバックアッププランとして用意していた本社機能の移転を実行することに。
KAGの2〜3階を、クラビズの本社として使用することになりました。
そして1階のカフェ・バーの営業に注力し、現在に至っています。
倉敷の地で新しい試みに挑戦するKAG
──KAGという店名の由来は?
玉岡(敬称略)──
KAGは、倉敷アヴァンギャルド(Kurashiki Avant-Garde)の頭文字です。
アヴァンギャルドは「前衛的」という意味。
「倉敷の地で、新しい試みに挑戦する」という意味で名付けました。
──KAGの特徴は?
玉岡──
ひとつは倉敷駅前、そして一番街という立地。
立ち寄りやすく、昔ながらの雰囲気が残る場所にあることです。
もうひとつは、イベント開催ですね。
定期的におこなっているイベントも、定着してきた感じがします。
「こういったことがやりたいんだけど、できますか?」と問い合わせもあり、ありがたいです。
倉敷を世界に誇れる街にするための拠点に
──倉敷という街に対しての思いを教えてほしい。
秋葉──
このKAGという店ができたのは、クラビズの倉敷という街への思いがきっかけです。
私たちは建物をつくったり、道路を整備したりする形の街づくりではなく、倉敷に住んだり携わったりする人々の思想をアップデートしていく形で街づくりをしていきたいと考えています。
たとえば企業や人が地域の問題に気づき、それに対し行動をおこし、利益を出したうえでそれを社会にとってより良い活動へ循環させていくこと。
そうすれば街は活性化し、きっと良い街へなっていくはず。
また、倉敷の街のルーツにもつながる考え方でもあると思います。
これが私たちの考える街づくりであり、その取り組みの拠点のひとつとしてKAGを運営しているのです。
将来的に、倉敷を世界に誇れる街にしていきたいですね。
今後の展望・課題など
──今後の展望や課題などを知りたい。
玉岡──
コロナ禍が落ち着いてきて、夜のお客さんはかなり多くなってきました。
「夜カフェ」としての認知度は増してきたと思います。
また海外のかたをはじめ、観光で訪れるお客さんも多いです。
いっぽうで昼のお客さんは、まだまだと感じていますね。
そこで、お昼のお客さんを増やす施策が必要と考えています。
たとえば地元のお客さん向けに、犬の散歩をされているかたがフラッと立ち寄りやすくしてみるとか。
あるいは出勤途中や昼休みなどの人向けに、ドリンクや軽食などのテイクアウトをしやすくするとかも考えています。
昼は、手軽に利用しやすい店づくりを試していきたいですね。
地元の人と倉敷を訪れた人が触れあえる場所・KAG
倉敷中心部では、大型ショッピングセンターの建つ倉敷駅北側、大きな商店街のある倉敷駅南東、観光スポットの美観地区周辺などに比べ、印象の薄い一番街。
しかし一番街には、昔ながらの倉敷の生活があります。
そんな一番街という気取らない場所に、KAGがあります。
KAGは、地元の人でもフラリと気軽に立ち寄れる店です。
また地元の人と倉敷を訪れた観光客やビジネス客が触れあえる場所は、倉敷にはあまりありません。
ぜひ訪れて、こだわりのハンバーガーやエスプレッソマシーンでつくったコーヒー、そしてアルコール類などを楽しんでみてください。
また、旅先で倉敷という街のディープな面を味わいたいという観光客にもおすすめです。
KAGでしか味わえないディープな倉敷を体験してみませんか。