未来へ提言「震災誌」 釜石市「撓まず 屈せず」発刊

釜石市が発行した震災誌「撓まず 屈せず」

 岩手県釜石市は、東日本大震災の被害状況や復興まちづくりの歩みをまとめた震災誌「撓(たわ)まず 屈せず」を発刊した。これまでに作成した記録誌や検証報告書などを体系的にまとめたほか、震災から12年を経て得た教訓も掘り下げた。未来への提言に重点を置いた震災誌は珍しく、次の災害に備えるため広く発信する。

 震災誌はA4判332ページの9部構成で、▽住民の避難行動▽災害廃棄物の処理▽復興公営住宅の整備―など61項目について事実関係と市の取り組みを記載。さらに現在の視点で考察した「教訓」をセットで載せ、当時の取り組みがどんな効果をもたらしたかにも言及している。

 300部作成し、関係自治体や市内の学校、公共施設などに配布する。市内の生活応援センターで販売し、1冊2千円。市ホームページでも公開している。問い合わせは市震災検証室(0193.27.8438)へ。

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