「人生が生きやすくなるヒント」をくれる。哲学書ラバーが厳選するオススメ図書Vol.2

朝を楽しむ朝美人アンバサダーのみなさんによるスペシャル連載コラム。月に30冊本を読んでいる倉口ゆうみさんが、初心者さんにも分かりやすい哲学書を厳選してご紹介します。(全3回)

おはようございます。朝美人アンバサダーの倉口ゆうみ(@yuumi__kuraguchi)です。

哲学書ラバーの筆者が、初心者の方にも親しみやすい哲学書を紹介するコラムを連載しています。全3回のうち今日は2回目。

哲学が気になるけれど、とっつきにくそう…哲学気になるけれど、どんな本を読んだらいい?という方は1回目のコラムからお読みください。

少しだけディープな世界の扉を開いてみよう

前回のコラムでは、哲学書の入門書として様々な哲学者の知恵を知れる本をご紹介しました。

今回は、かの有名なニーチェとソクラテスの名言から学ぶ人生が生きやすくなるヒントをくれる本たちのご紹介です。

「あ、聞いたことある名前!」と思う方も多いかもしれませんね。しかし、哲学者の名言は現代にはあまり馴染みがなさすぎて、読んでみても意味が分かるようで分からない…ということって正直ありませんか?(私はありました!笑)

今回紹介する本は、哲学の本に触れるのが超絶初心者だった私が、この哲学者たちの伝えていることを理解したいと様々な本を読んでみた中から厳選した本をシェアしています。

著者の方の説明がとても分かりやすく、おもしろく紐解いてくれています。し・か・も!文字が大きめで読みやすいので(これ、結構重要だと思います)最後まで楽しんで読めるかと^^

さぁ、少しだけディープな世界へ足を踏み入れてみましょう~! コーヒー片手に今回もごゆるりとお付き合いください。

【おすすめの哲学書】1冊目

「誰かと自分を比べて落ち込む」「周りや世間の価値観にハマってない私は変…?」そんなお悩みにおすすめの1冊。

生きていると人を羨ましく思ったり、世間一般に幸せだといわれていることに自分がハマっていないとなんだか焦ったり…(例:女性なら〇歳までには結婚して子どもがいるのが普通、年収はこのくらいあるのが幸せetc…)そんなことってありますよね。

そんな方にはこちらの本をオススメします。

『「最強!」のニーチェ入門 幸福になる哲学』/飲茶 著

私は本書に書かれているこの言葉を読んでハッとしました。

『そんな外から与えられた「ありもしない意味」を自分自身に設定して信じ込んで、それが達成できなかったとき……ものすごく失望したり、不幸だと感じたりしないかな?(中略)「〇〇とは本質的にこういうものなんだ」といった話は、全部、その時代、その地域でどっかの誰かが考えた「架空の存在」にすぎないんだ。でも人間は、「現実の存在」、すなわち「実存」なんだから、そんな「見たり触れたりできない、ありもしないもの」に縛られて、自分自身を惨めに思う必要なんてないんだよ。』
―「最強!」のニーチェ入門 幸福になる哲学/飲茶 著 より引用

生きていると、知らず知らずのうちに外側からの価値観で自分をジャッジしてしまうことがあるかもしれません。

これをニーチェは背後世界(意味:社会的価値観)に縛られるといっていますが、今のあなたの悩みは、もしかしたら背後世界に縛られているのが苦しさの1つかもしれません。

とはいえ「じゃ、これからは社会から与えられた人生の意味なんて無視して生きる!」なんて極端になってしまうと、虚しくなって末人(毎日忙しく働いて暇をつぶして生きるだけの人生)になってしまうともニーチェは言っています。

では、どうしたらいいの…?どうしたら生きやすくなるの?というのがこの本を読むと分かります。

ニーチェの名言に「神は死んだ」「奴隷道徳」「ルサンチマン」「超人」など様々な名言がありますが、これらは誰かに嫉妬心を抱いてしまった時にどう考えたらいいのか?自分の人生の意味とは?などの悩みにヒントをくれる言葉ばかりです。

この本は、ちょっとひねくれた主人公(?)のアキホちゃんと先生の対談形式で進んでいきますが、読み手が疑問に思いやすいことをアキホちゃんが代弁してくれるので非常に分かりやすいです。

ニーチェって実は「本質とか意味とか非現実的なことばかり考えるのはもう良いんじゃない?これからは地に足つけた『現実の存在』に目を向けて考えましょうよ!」というスタンスの持ち主なので、人間の綺麗な部分だけでなく、ブラックな部分にも目を向けた哲学者。現代でもとても活かしやすい考え方が沢山です。

【おすすめの哲学書】2冊目

「やりがいのある仕事に就くには?」「情報に振り回されてお金との付き合い方がよく分からない」「幸せに生きるためにはどうしたら?」そんなお悩みにおすすめの1冊。

「人生このままでいいのかな」そう思って自分と向きあうためにノートを開いてみるけれど、どう自分と向き合えばいいか分からない…そんなお悩みの方におすすめしたいのがこちらの1冊。

ソクラテスに聞いてみた 人生を自分のものにするための5つの対話』 藤田大雪 著

ソクラテスは「考えることの重要性」を最初に説いた古代ギリシアの哲学者です。

ソクラテスは、歩いている若者をつかまえては質問を投げかけて対話をしていくという少し風変りな哲学者だったようですが、それゆえに相手の本当の気持ちを引き出すことに長けていたと言われています。

この本も人生の様々な悩みを抱える27歳のサラリーマンのサトルとソクラテスが対話形式で「友達」「恋愛」「仕事」「お金」「結婚」という人生の悩みがちな5つのテーマを柱に、悩みながらも一緒に解決していくストーリー。

ソクラテスは「善く生きること」「魂の配慮」「汝自身を知れ」の名言で知られています。これらは簡単に言うと「周りの評価など表面的なものに囚われず、自分の内側と向き合い自分が善く生きる道を探すことで、本来の自分の生き方が見えてくるよ」という意味です。

「周りなど気にせず自分の気持ちを大切にしよう」「自分にとっての心地よさは何か」など今では当たり前のように使われている考えですが、ソクラテスはその大切さを2400年も前から説いていました。

自分との向き合い方に悩んでいる…という方にはこの本が向き合い方のヒントをくれること間違いなしです!

私は最初Amazonオーディオブックのオーディブルで聞きましたが、とてもおもしろくて本も購入しました。会話形式になっているので音声で聞くとラジオのような感覚で楽しみながら学べます。活字が苦手…なかなか読む時間がとれない…という方はオーディブルで聞くのもおすすめです。

***

いかがでしたか?哲学のおもしろさが伝わったなら嬉しいです^^

ラストとなる次回は筆者のバイブルにもなっている、とっておきの哲学書をご紹介します。

それでは、また次回お会いしましょう…!

※参考文献
『読まずに死ねない哲学名著50冊』平原卓 (フォレスト出版 2016年)
『ソクラテスに聞いてみた 人生を自分のものにするための5つの対話』 藤田大雪 (日本実業出版 2016年)
『「最強!」のニーチェ入門』飲茶 (河出書房新社 2020年)

倉口ゆうみさんコラム一覧

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【プロフィール】倉口ゆうみさん/ゆーみんの薬膳メンタル学主宰/国際薬膳調理師

人生について友人と語り合うこと、哲学書を読むのが趣味。朝はコーヒー片手に自分と向き合う時間#自分を深める自由研究 をするのが日課。普段は薬膳の講師をしたり主婦業を楽しんでいます。最近、分子栄養学の資格も取得。食と健やかさを研究することがライフワークです。繊細なのに体育会系な熱いハートも持っていてなんでも深めたいオタク気質。まったりのんびり過ごすのが好きです。夫と保護猫ちゃんと暮らしています。
Instagram:@yuumi__kuraguchi
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