都ホテル跡地「文化観光の象徴に」 県政懇談会で岡田氏提言、知事賛同

県政課題について知事と自民党の県選出国会議員らが意見交換した懇談会=金沢市内のホテル

 自民党の県選出国会議員と県幹部の県政懇談会は18日、金沢市のホテル金沢で開かれた。岡田直樹参院議員は、都市再生特別措置法を活用して再開発が進められる見通しとなった金沢駅前の金沢都ホテル跡地について「文化的な色彩の濃い建物が望ましい。文化観光のシンボルタワーとしてほしい」と提案。馳浩知事も賛同し、「協議などの過程において県の考えを伝えていく」と応じた。

 岡田氏は、都ホテル跡地に近鉄グループが整備する新たな建物は、単なる商業施設やタワーマンションにすべきではないとの考えを強調。「事業者も案を描いていると思うが、県や金沢市、地元の経済団体、文化関係者とよく相談し、時間を無駄にせず中身を詰めてほしい」と要望した。

 馳知事は、既存の高さ制限などの適用を除外する都市再生特別地区を設ける際には、県の都市計画決定が必要な点に触れ「準備協議会などが設置される過程で、県の考えを伝えることを検討する」と話した。

  ●尊経閣文庫の誘致「新当主の意向聞く」

 岡田氏は、前田育徳会(東京)が管理し、加賀藩前田家伝来の史料を収蔵する東京・駒場の尊経閣(そんけいかく)文庫の県内誘致を提言し、新たに前田家19代当主となった利宜(としたか)氏との意見交換を求めた。知事は「新しい当主の意向を聞きながら対応したい」と述べた。

 岡田氏は貴重な文化財を東京だけで保存するのは、災害時のリスクが大きいと指摘。県立美術館や、来年度に復元整備が始まる金沢城二の丸御殿で尊経閣文庫の収蔵品を展示することも将来的には考えられると期待を込め、「先祖の血と汗と涙の結晶を里帰りさせることは有意義だ。半分でも、3分の1でも石川に持ってこられないか」と話した。

  ●来春までに森林公園復旧

 7月の豪雨で大きな被害を受け、休園が続く県森林公園(津幡町)は、来春までにアスレチック設備など主要施設を復旧させる。西田昭二衆院議員が再開の見通しを尋ねた。

 知事は公園内の主要林道から優先的に復旧を進めていると説明。来年春、園内にオープン予定のいしかわ動物愛護センターなどの計画に遅れが生じないよう取り組むとした。

 宮本周司参院議員は、県内で老朽化が著しいライスセンターやカントリーエレベーターなど農業用の共用施設の更新に支援を求めた。小森卓郎衆院議員は大都市部からのデータセンター誘致で方針をただした。

  ●小松第2滑走路で逆要望 知事、佐々木氏に

  ●「国交、防衛相に案内を」

 小松空港の第2滑走路整備を巡り、自民党国土交通部会長の佐々木紀衆院議員は、整備に難色を示している防衛省の木原稔大臣に馳知事から働き掛けるよう求めた。

 知事は滑走路増設の実現可否は年度内に判断するとの考えを改めて示した上で、「国交部会長の力で国交大臣に直訴できるようお願いしたい。防衛省との調整も重要であり、案内してほしい。年内か1月の早い時期に要望できるよう取り計らってほしい」と佐々木氏に逆要望した。

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