表現に喜び、力作483点 県民会館で越中アートフェスタ開幕

大賞受賞作「内川情景」を前に解説する永森一則さん(中央)=県民会館

 美術公募展「美の祭典 越中アートフェスタ2023」が18日、富山県民会館で開幕した。深い精神性を感じさせる平面作品や多様な素材を複合的に使った立体作品など、6歳から87歳までの幅広い世代が創作した入賞・入選作483点が並ぶ。開幕と同時に美術ファンや出品者の家族らが訪れ、表現の喜びに満ちた意欲作に見入った。22日まで。 

 会場には、射水市新湊地域を流れる内川沿いの情景をモノクロで写した永森一則さん(66)=富山市根塚町=の大賞受賞作「内川情景」をはじめ、遊び心あふれる造形の大作や一瞬の美を表現した前衛書、色の組み合わせに個性がにじむ絵画など、新しい発想で作り上げた力作が並ぶ。

 開会式・表彰式に続き、受賞者と審査員によるクロストークが開かれ、制作の背景や技法、評価のポイントなどについて語った。

 アートフェスタは細かなジャンル分けやサイズ制限を取り払い、自由な創作活動に光を当てる公募展で、今回で18回を迎えた。県と県芸術文化協会、県美術連合会主催、県文化振興財団と北日本新聞社共催。

優秀賞に選ばれた大作「sustainable generation」について語る土屋裕さん(右手前)
ヤマモトマサヒロさん(右)の優秀賞受賞作「sparkle」。ペンキやアクリル絵の具を用い、さまざまな質感を生み出している
優秀賞に選ばれた書「初心」について語る荒谷明美さん
昨年に続き優勝賞に選ばれた圓戸智さん。昨年は版画だったが今年は水墨画「INAHO」で受賞した
「未来賞」に選ばれた渡邉楽さん(中央手前)の造形作品「生きもの」。中に人が入って動かすことができる

© 株式会社北日本新聞社