犬にご褒美をあげてはいけない3つのタイミング その理由に「人間都合はダメ」「タイミングは大事」

犬にとってのご褒美とは

犬と暮らしている方であれば、愛犬にご褒美をあげる機会も多いですよね。大好きなご褒美をもらっている時の愛犬はご機嫌な笑顔のはず。

可愛い愛犬についたくさんご褒美をあげたくなってしまいますよね。「ご褒美」はしつけの時にとても役立ちますし、コミュニケーションをとる時にも信頼関係を築くために必要です。

「犬のご褒美」と言えば一番はオヤツですよね。大好きなオヤツをもらいながらトレーニングを頑張る犬も多いはず。しかし、犬にとってご褒美はオヤツだけではありません。そもそもご褒美とは報酬を意味しています。

犬も個性豊かな生き物なので、個体ごとに喜ぶものは違います。褒められることがご褒美になる犬もいれば、お散歩がご褒美になる犬もいますし、撫でてもらうことがご褒美になる犬もいるのです。

愛犬が嬉しいと感じることがご褒美になるのですが、間違ったタイミングで与えてしまうと、しつけも上手くいかないはず。犬にご褒美をあげてはいけないタイミングをチェックしてみて下さい。

犬にご褒美をあげてはいけない3つのタイミング

1.叱っている時

近年、褒めるしつけが主流ではありますが、愛犬自身がケガをしてしまうようなイタズラをしている時など、時には叱ることも必要だと思います。

叱っている最中にウルウルとした瞳で悲し気に見つめられると、つい「もういいよ…」と許してあげたい気持ちになって、笑ってしまったりオヤツをあげてしまったことはありませんか?

叱っている最中に愛犬が「ご褒美」と感じるものを与えてしまうと、「イタズラをするとご褒美がもらえる」と学習してしまう可能性があります。一度学習してしまうとイタズラがクセになってしまう可能性もあるので注意しましょう。

2.おねだりしてきた時

犬は「ご褒美」になるものを要求してくることもありますよね。「オヤツがほしい」「お散歩に行きたい」など、様々な要求があるかと思います。

犬の要求する時の行動はジーっと見つめてきたり、前脚でチョンチョンと体を触ってきたりと可愛らしい行動も多いのですが、要求に応えてご褒美をあげすぎるのは良くありません。

要求してきたタイミングでご褒美をあげてしまうと「要求すると願いが叶う」と学習してしまいます。一度学習してしまうと、その後は要求が通るまで何度も吠え続けたり、興奮してくると唸りだすなど要求の行動がエスカレートして、問題行動に発展してしまう危険性もあります。

お留守番の時間が長くて寂しくて甘えたい、またお散歩の時間が足りなくてもっと運動をしたいなど、愛犬からの真っ当な要求にはしっかりと応え、ワガママな要求のタイミングではご褒美はあげないようしましょう。ワガママな性格が増長する原因にもなりますので気をつけてください。

3.吠えている時

犬が吠える理由は様々あります。要求したい時や警戒している時、また不安を感じた時にも吠えることがあります。吠えている時に気持ちが高まり興奮してしまうと、長い時間吠え続けてしまうこともあるでしょう。

集合住宅に住んでいる方であればご近所迷惑も気になるでしょうし、動物病院や公共の乗り物に乗っている時など、場所によってはすぐに吠えるのは止めてほしい時もありますよね。

そんなタイミングにご褒美をあげることで、吠えるのをやめさせるのも良い行動ではありません。おねだりしてきた時と同様に「吠えるとご褒美がもらえる」と学習してしまう犬もいます。

なかなか難しいのですが愛犬が吠えてしまう時は、基本的にあまり反応しないようにしましょう。ご褒美をあげるのは吠えるのをやめて静かになった時がベストです。

日頃から吠えることが多い犬は、何に対して吠えているのか原因を突き止め、その環境や状況に慣れてもらうトレーニングをしていきましょう。またストレス発散のために、コミュニケーションやお散歩の時間を増やしてみるのも有効です。

まとめ

犬には「ご褒美」と感じるものがいくつかありますがどれも大好きなはず。大好きな「ご褒美」をもらえると、嬉しい気持ちでいっぱいになるのでトレーニングを頑張ることが出来るのかも。飼い主さんも愛犬に対して正しいご褒美の使い方をしてあげたいですね。

(獣医師監修:平松育子)

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