「カエル先生」に学ぶ多様性 長崎・川棚特支 創立50周年記念式典 生物との触れ合いも

カエルの生態について解説する松尾教授=川棚町、川棚特別支援学校

 創立50周年を迎えた長崎県立川棚特別支援学校(東彼川棚町小串郷、松田竜司校長、102人)で17日、記念式典があった。記念講演では“カエル先生”として知られる長崎女子短大(長崎市)の松尾公則教授が生物多様性について話した。
 小学生と中高生、それぞれに講演。県立川棚高出身の松尾教授は同校周辺の生物を調べ、水田の耕作放棄などで絶滅が危惧されるカスミサンショウウオなど両生類13種がいたと紹介。カエルの生態や食物連鎖を解説し「みんなが一人一人違うように、生物多様性とは自然の中には、いろんな生きものがいないとだめだよということ」と呼びかけた。
 児童生徒はヒキガエルにも触れた。最初は怖がっていたのに「かわいい」とくぎ付けになった児童も。小学部5年の吉田歩奏さんは「ますますカエルが好きになった」とほほ笑んだ。
 同支援学校は県立の障害児施設、光が丘学園(同郷、2008年民間移譲)内の町立小串小、川棚中の分校が前身。1973年に県立川棚養護学校として創立。2017年に高等部ができた。これまで小学部359人、中学部518人、高等部62人が卒業。式典で松田校長は「皆さんの成長する姿に触れることが一番うれしい」と述べ、小中高の児童生徒代表が「これからも力を合わせ、にこにこと仲良く、地域の方々に愛される学校をつくりたい」と誓った。

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