十和田・官庁街通りの桜植え替え/腐朽菌影響 倒木の危険

十和田市官庁街通りのアート広場前で行われた桜の植え替え作業=18日

 青森県十和田市は本年度、桜の名所として知られる官庁街通りのソメイヨシノ155本のうち2本を植え替える。老木化した上に腐朽菌のベッコウタケの影響で根株などが腐り倒木の危険性もあると判断したためで、18日に1本目の作業を行った。ベッコウタケに侵されている同通りの桜は目視で確認できるだけでも約60本あり、市は歩行者らの安全確保のため今後も必要に応じて植え替える。

 市担当課によると、官庁街通りは1993年に現在の姿に整備された。桜は樹齢100年近いものもある。2018年度までに全部の樹勢診断を終え、根詰まりの元となっているブロックを一部撤去して植栽升を広げ、土壌改良を施すなどして樹勢の維持を図ってきた。

 一方で13年度から、樹木の更新に備え、ソメイヨシノやジンダイアケボノなどの後継木を市内の園地で100本近く育てている。

 ベッコウタケは広葉樹に発生し、根の傷などから侵入し根株内部から腐らせる。完全な治療方法はなく、キノコ(子実体)となって木の外部に現れた時は既にかなり腐朽が進んだ状態とみられる。

 市が本年度に植え替えるのはアート広場前と上北労働基準協会前のソメイヨシノ。いずれも樹齢70年ほどとみられ、幹の直径は90センチ前後だった。10月3日に伐採し、土壌を入れ替えるなどして準備を進めてきた。

 18日は委託業者がアート広場前で作業に当たり、樹齢約13年、幹の直径20センチ余りの後継木を植えた。19日にもう1本の作業をする。

 担当課によると、伐採する桜は樹木医の診断を基に選定した。来年度も2本の植え替えを考えており「景観のバランスを見ながら弱っている木から更新し、安全を確保したい」としている。

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