原発処理水、タンク16基分減少 放出完了は30年先

敷地内に処理水の保管タンクが並ぶ東京電力福島第1原発=8月

 東京電力が福島第1原発処理水の海洋放出を8月に始めて以降、敷地内に保管中の処理水がタンク16基分減り、想定を上回っていることが19日、東電への取材で分かった。2万トン超を放出した一方、新たに多核種除去設備(ALPS)での処理に回した汚染水は9日時点で2160トンだった。年内の放出は20日に終了する見込みだが、タンクは千基以上あり、約30年先の放出完了と廃炉までの道筋は見えない。

 処理水の元になる汚染水は、1~3号機の溶融核燃料(デブリ)を冷やす注水や流れ込む地下水により日々発生。東電は、廃炉完了の目標とする51年までに処理水の放出を終える方針だが、デブリが残る限り汚染水は発生する。

© 一般社団法人共同通信社