47年前の自分に再会! 小学校でタイムカプセルの開封式 長崎・島原市 

47年前にタイムカプセルを入れた記念碑の前で、取り出した作品とともに記念撮影する元児童ら=島原市立第二小

 「まるで47年前の自分に会えたよう」-。1976年に島原市立第二小の児童が埋めたタイムカプセルの開封式(実行委主催)が19日、同校であり、50~60代になった18人が県内外から訪れ、作文や絵画などを受け取った。参加者は旧交を温め、それぞれの人生を振り返った。
 タイムカプセルは、同校の創立100周年から3年後の76年に設置された記念碑内に埋設。今年の創立150周年に合わせ、当時の在校生有志が2月に実行委を組織し開封を計画した。8月中旬、カプセルを取り出し、作品が入っていた62人のうち44人に連絡がとれ式典を開いた。
 式典では実行委員長を務める薬剤師の髙尾絵美さん(60)=同市加美町=が「入っていたのは、当時在籍していた937人の代表の作品。二小で過ごした時間を懐かしく思い出して」とあいさつ。実行委員が一人一人に作品を返還した。
 約5年前、交通事故で記憶が不明瞭になったという模型店店主の信国ゆかりさん(60)=同市湊道2丁目=は、作文を読んで小学6年当時の思い出がよみがえった。担任の先生を慕う自身の作文を手にし「優しかった先生をはっきり思い出せた。(タイムカプセル開封を通して)昔も今も二小の団結力はすごいと感じた」と感慨深そうに語った。
 当時1年生で、アニメプロデュース会社役員の井原敦哉さん(55)=東京都練馬区=は展示されていた寄せ書きに「おいしゃさんになる」と記していたのを見つけ、「手塚治虫先生の『ブラックジャック』をよく読んでいたから」と笑顔。自身が書いた新幹線「ひかり」に関する国語の課題文を受け取った。
 実行委は今後、式典に参加できなかった約20人に作品を郵送する予定。

タイムカプセルから取り出した作文を手渡す髙尾さん(右)と、作文を読んで小学生の時の記憶がよみがえったと喜ぶ信国さん=島原市立第二小体育館

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