資料館が名称変更へ 故・岡正治氏の「性暴力」証言受け 来年4月に再開予定 長崎

 平和運動家で元長崎市議の故岡正治氏(1994年死去)から約30年前に「性暴力を受けた」という女性の証言を巡り、岡氏の遺志を継ぎ運営している同市西坂町のNPO法人「岡まさはる記念長崎平和資料館」は19日、市内で総会を開き、法人名と館名から岡氏の名前を外し「長崎人権平和資料館」に変更すると決めた。10月から休館しているが、展示内容も見直した上で来年4月1日に再開する予定。
 岡氏は朝鮮人被爆者の実態解明などに尽力した牧師で、94年7月に死去。資料館は翌95年10月、市民有志が開館し、戦時中の日本による強制連行や慰安婦問題など日本の加害責任に着目した展示を続けてきた。
 NPOなどによると、女性は記者として働いていた94年、取材対象だった岡氏の自宅で被害に遭った。女性は2020年にインターネット上で告発。NPOは今年に入って関係者を通じて女性に被害状況を確認し、9月に文書で謝罪した。資料館は館名変更などの対応のため10月10日から一時休館している。
 総会は非公開。終了後に取材に応じた崎山昇理事長によると、法人名を変える定款変更の議案を賛成多数で承認した。資料館には岡氏の活動に関するコーナーがあり、展示内容も見直す方針だが、具体的には検討中。会員の意見も踏まえて来春までに見直すという。崎山理事長は取材に「被害女性の思いに寄り添って対応し、資料館として再出発したい」と語った。

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