全国高校サッカー選手権大会県予選 迷いなく突き進んだ柳ケ浦が18年ぶり優勝 【大分県】

第102回全国高校サッカー選手権大会大分県大会

11月19日 レゾナックドーム大分

決勝

柳ケ浦2-1大分

試合前のアップ直前のロッカールーム。ベンチ入りできなかったメンバーが作った動画が流れた。新チームになってから今大会の準決勝までをまとめたものだ。その中に込められた、「情熱的に戦おう」「絶対勝つ」というメッセージを見て、燃えないわけがない。キャプテンの橋本琉唯(3年)は、「これまでやってきたこと、『みんなの思いを背負って』出し切ること」だけを考えてピッチに入った。

序盤からプレーに思いが宿った。チームが掲げる「プレーの四原則」となる「球際」「切り替え」「ハードワーク」が徹底され、プレーが止まったときは「コミュニケーション」を図り、修正する。方向性にブレがないから迷いがない。ピンチの場面では大きくサイドに蹴り出すこともあれば、しっかりパスをつなぐ場面もある。前線のポイントとなる選手に長いボールを送るのも、常にゴールへ意識が向いているからだ。

前半17分に狙い通りの先制点を奪う。中央からボールを運んでサイドに散らし、池田琉生(3年)のクロスを曽根虎大郎(同)が頭で合わせる。「絶対にクロスが上がると信じていたから、迷いなく飛び込むことができた」と胸を張った。

同点で迎えた後半も運動量は落ちず、相手の攻撃を跳ね返す。9分にはCKの折り返しを橋本が頭で合わせ、GKが弾いたボールを外園優心(2年)が蹴り込み、これが決勝点となった。

今年2月に県高校新人大会で優勝したが、全国選手権に出場するのは18年ぶり。橋本は「歴史を残せた。粘り強く戦えた。自分たちの目指す方向性は間違ってない」と喜び、「全国で柳ケ浦のサッカーを見せて輝く」と誓った。

先制点を決めた曽根虎大郎

喜びの声

橋本琉唯(3年)

うまいチームではないが、勝つことだけを考えた。粘り強く戦え、勝ち切れたことはうれしい。けがで準決勝から先発出場することになったが、この2試合は試合の入り方を特に気をつけた。最初から自分たちのペースで試合ができたのがよかった。全国では「柳ケ浦の10番はすごい」と言われるようなプレーをして輝きたい。

曽根虎大郎(3年)

最高に楽しかった。(得点の場面は)クロスが上がると信じていた。相手DFと駆け引きして振り切って飛び込んだ。練習通りの形が出た。先制点を取れば勝てると思っていた。同点にされても焦ることはなかったし、ボールを前に運ぶ自分の仕事はできた。全国ではこれまで戦ったライバルの思いも背負って戦いたい。

外園優心(2年)

勝てたことがうれしい。自分のゴールはおまけのようなもの。これまでどこよりも走り込み、練習してきたことが報われた。全国では無失点にこだわる。しっかり自分たちのサッカーをして勝ち上がりたい。

(柚野真也)

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