青森県病・市民病院統合 整備場所は「決め打ちせず検討を」 宮下知事、西・青森市長に

統合新病院の整備などが議題となった、宮下知事(左)と東青圏域の市町村長との意見交換会

 宮下宗一郎知事は19日、県立中央病院(青森市東造道)と青森市民病院(同市勝田)の統合新病院を巡り、整備場所を検討する青森市の西秀記市長に対し、「決め打ちせずに、(これまで候補地としていた)3拠点にこだわることなく(検討し)要望してほしい」と伝えた。同日、青森市のホテル青森で開いた知事と東青圏域の市町村長との意見交換会で述べた。

 市は整備場所に関する検討会議の初会合を20日に開く。これに先立ち、青森商工会議所は17日、従来の候補地の一つである青い森セントラルパークへの新病院整備を求める要望書を市に提出している。

 意見交換会で新病院の着実な整備を求めた西市長に対し、宮下知事は青森商議所の要望を自ら話題にし「決め打ち」で検討を進めるべきではないと指摘した。同商議所は要望の中で、洪水時の浸水が懸念されている同パークについて、八甲田に建設中の駒込ダムが完成すればリスク軽減が期待できるとしたが、知事は「駒込ダムでセントラルパークの洪水が緩和されることはない」と否定的な見解を述べた。

 市が設置する検討会議で出た意見は、県と市の有識者会議に提出される。知事の発言を受け、西市長は「いい提案ができればと思っているので、お待ちいただければ」と話した。

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