目立った動きが少ない今オフの移籍市場 「ドミノ倒しが必要だ」

ワールドシリーズが終了して半月以上が経過しているが、今オフは移籍市場の動きが非常に遅い。MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者は「フィリーズがアーロン・ノラと7年1億7200万ドルで再契約するまで、意味のある契約はほとんどなかった。アンソニー・リゾ、タイラー・アンダーソン、ラファエル・モンテロ、ホセ・アブレイユらが早々に複数年契約を結んだ1年前と対照的だ」と記している。大谷翔平がトップに君臨する今オフの移籍市場は、どのタイミングで本格的に動き出すのだろうか。

フェインサンド記者は今オフの移籍市場を「トップ・ヘビー」と表現している。強打者(大谷)、先発投手(山本由伸)、救援投手(ジョシュ・ヘイダー)、外野手(コディ・ベリンジャー)など、各部門でトップ選手が明確なのだ。あるナ・リーグの球団幹部は「多くのFA選手はそうしたトップ選手たちが契約するのを待とうとする。多くのチームのプランBになる可能性があるからだ」と指摘。トップ選手の移籍が決まらない限り、多くのFA選手の契約は決まらないというわけだ。

別のナ・リーグの球団幹部は「大きなドミノ倒しが必要だと思う」との見解を示した。つまり、移籍市場が大きく動き始めるためには、トップ選手の誰かが先陣を切ってドミノを倒す(=契約先を決める)必要があるということ。大谷の契約が決まらなければ、J・D・マルティネスの契約は決まらないし、山本の契約が決まらなければ、前田健太や今永昇太の契約も決まらないだろう。移籍市場がほとんど動かないあいだに、63人の選手がノンテンダーで新たにFAとなり、移籍市場は混雑度を増している。

あるア・リーグの球団幹部は「ルール5ドラフトのプロテクト期限やノンテンダー・デッドラインのタイミングでトレードが少なかったことに驚いた。ひょっとすると、かなり多くのチームが戦力アップを目指しているか、何か大きな動きをしようとしているのかもしれない」との見解を示している。戦力アップを目指すチームは、まずトップ選手をターゲットとし、プランB、プランCと徐々にターゲットのグレードを下げていく。トップ選手が移籍先を決めなければ、各チームは動きようがないのだ。

残念ながらフィリーズのノラとの再契約は、ドミノ倒しの起点にはなりそうにない。最初のドミノを倒すのは、やはり大谷なのかもしれない。

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