「家族を返してほしいだけ」拉致被害者・横田めぐみさん弟の哲也さん訴え、福井県で早期解決願う集会

「必ず取り戻す!」と題して講演した横田哲也さん=11月19日、福井県おおい町

 「拉致・特定失踪者問題の早期解決を願う福井県集会」が11月19日、福井県おおい町総合運動公園内の悠久館で開かれた。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の弟で、拉致被害者家族連絡会事務局次長の横田哲也さん(55)が講演し、「姉が拉致されて46年。解決に至らず怒りを覚える。政府や外務省は『必ず取り戻す』という気持ちを持って交渉に臨んでほしい」と約200人の聴衆に訴えた。

 支援団体「救う会福井」が主催。小浜市の拉致被害者、地村保志さん(68)のほか、県内の特定失踪者家族も登壇した。

 

 めぐみさんは1977年11月15日、下校途中に拉致された。横田さんは北朝鮮について「思想、宗教、言論の自由はなく、差別が固定化され、飢餓と栄養不良が広範囲に及んでいる」と指摘。「46年前に拉致された姉は、現在進行形で今なお苦しんでいる」と述べた。

  帰国できない拉致被害者は、北朝鮮中枢の情報を持っているとの指摘がある中、「帰国後、北朝鮮内部の情報は公開しないというメッセージは、家族会として送っている。われわれは家族を返してほしいだけだ」と訴えた。

© 株式会社福井新聞社