2つの高校の水泳部員ら連係、心肺停止の仲間の命救う 水に沈む生徒に気付き、引き上げAED

白井署長(右端)から感謝状を受け取った(左から)石原さん、本郷さん、宮田教諭=栗東市小柿3丁目・湖南広域消防局中消防署

 湖南広域消防局中消防署は、滋賀県栗東市の国際情報高校で水泳部の合同練習中に心肺停止状態に陥った栗東高校の男子生徒を救ったとして、両高の生徒ら3人に感謝状を贈った。

 救出したのは、栗東高校2年本郷琉貴(るき)さん(16)と国際情報高校3年石原優心さん(17)、同高校水泳部顧問の宮田昌紀教諭(35)。11月7日に中消防署で白井亮光署長が感謝状を贈り、「最も重要なバイスタンダー(居合わせた人)としての処置を適切にして頂き、救命の連鎖がつながって、尊い命が救われた」とたたえた。

 事案は8月20日午前9時55分ごろに発生し、本郷さんがプールにあおむけで沈む仲間に気付いた。近くにいた石原さん、プールサイドの宮田教諭と協力し、生徒をプールから引き上げた。

 宮田教諭は石原さんに自動体外式除細動器(AED)を持ってくるよう指示し、本郷さんと交代で胸骨圧迫を始めた。石原さんがAEDを持って戻り、心肺機能は救急隊が午前10時5分に到着するまでに回復。生徒は病院に搬送されたが、既に社会復帰を果たした。

 授業やネットで救命方法を学んだ経験があるという本郷さんは「今後も率先して動けるようになりたい」と語る。石原さんは「胸骨圧迫や人工呼吸の知識がなくて悔しかった。人命救助の知識を身につけたい」と話す。宮田教諭は「今後もこうした場面に対応できるようにしないと」と気を引き締めた。

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