この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2023-24年/MF・DF編)

毎年恒例のこちらの企画。第1弾の「アタッカー編」に続き、今回は「MF・DF編」。群雄割拠の移籍市場からJリーグへやって来そうな選手を紹介する。

華々しい「アタッカー編」と比較するとやや地味な人選かもしれないが、“名より実を取る”補強がこのポジションには重要だと考えている。

足元に優れたGK、左利きのCB、SBなど近年のJクラブの補強ポイントに沿い、かつ「Jリーグへやって来そうな」選手達をリストアップしてみた。

こちらも総勢10名。ぜひご覧ください。

ネボイシャ・コソヴィッチ

Nebojša Kosović

国籍:モンテネグロ
ポジション:MF
年齢:28歳
所属:梅州客家(CHN)

中盤セントラルの位置から巧みなパスを用いてゲームをコントロールする右利きのプレーメーカー。

セットプレーのキッカーとしても優秀で、鋭く落ちるFKは脅威。後方でタメを作れる他、前線へも果敢に飛び出してはゴールを狙う。

セルビアやカザフスタンのクラブでプレーした後、2022年から中国スーパーリーグの梅州客家へ加入。中心選手として20試合以上に出場した。モンテネグロ代表としてもコンスタントに招集されているようで、国際経験も豊富。今冬は獲得に動くJリーグのクラブがあるかもしれない。

フットボールセンスはもちろん、モンテネグロ人らしく闘争心も高い。中盤にエネルギッシュな風を吹かせたいJリーグのクラブにはうってつけの選手だ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

エドゥアルド・エンリケ

Eduardo Henrique da Silva

国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:28歳
所属:スポルティングCP(POR)

ピンチを未然に防ぐ守備力と展開力に優れた186cmの守備的MF。

U-20ブラジル代表に選出された経歴を持ち、アトレティコ・ミネイロなどを経て2018年にポルトガルへ渡り、翌年には名門スポルティングCPへ完全移籍を果たした。

スポルティングCP移籍後は定位置を掴めず、イタリアのクロトーネ、サウジアラビアのアル・ラーイドFCなどへローン移籍を繰り返した。今季もポルトガル人指揮官ルベン・アモリム氏(38)の構想から外れ、セカンドチームに在籍している模様。今冬の移籍は確実と見られている。

対人プレーに滅法強く、Jリーグで活躍出来そうなタイプ。J1〜J2まで幅広いクラブが関心を示しそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

イ・ジェイク

Lee Jae-ik / 이재익

国籍:韓国
ポジション:DF
年齢:24歳
所属:ソウル・イーランドFC(KOR)

9月に行われたアジア競技大会で優勝したU-24韓国代表のCB。

186cmの長身、左利きと希少価値が高く、優れたビルドアップ能力とサイズに似合わぬスピードが武器。かつてカタールのアル・ラーヤンSC、ベルギーのロイヤルアントワープFCに在籍した過去を持つ。

所属するKリーグ2部のソウル・イーランドFCでレギュラーとしてプレーしているが、現在チームは11位。来シーズンの昇格がなくなったこと、自身の兵役義務が免除されたことで今冬はステップアップのために移籍する可能性が非常に高い。

韓国国内でもパス能力は高く評価されており、Jリーグ向きと言える。守備に課題を抱えるクラブにやって来そうな選手の1人だ。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

イ・スンミン

Lee Soon-min / 이순민

国籍:韓国
ポジション:MF
年齢:29歳
所属:光州FC(KOR)

今シーズン、Kリーグ1部で快進撃を見せた光州FCの大黒柱。アンカーが本職だが、CB、右SBをこなすユーティリティー性に優れ、豊富な運動量とキャプテンシーでチームを活性化させる。

ラッパーとしてのYouTubeチャンネルを持ち、22年のKリーグ・アウォーズでは自作のラップを披露した。

光州FCでのパフォーマンスが評価され、29歳でユルゲン・クリンスマン監督率いる韓国代表に初招集された「遅咲きの星」。アジアの舞台へ参戦することが確実な光州FCを離れるかは微妙なところだが、条件によってはキャリアアップを決断する可能性がありそう。

中盤に喝を入れたいJリーグのクラブがオファーを出す可能性も十分あるだろう。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

マティアス・ナニ

Matías Germán Nani

国籍:アルゼンチン
ポジション:DF
年齢:25歳
所属:アル・シャマルSC (QAT)

優秀な外国籍アタッカーの揃うカタール・リーグで躍動するアルゼンチン国籍の現代型CB。

状況判断力に優れ、後方からの持ち上がりを含めたビルドアップ力はリーグ全体を見ても屈指のレベル。189cmとサイズもあり、左利き。近年のフットボール界が求める理想が詰まった選手と言えるだろう。

19歳でイタリアの名門ASローマから青田買いされるも、その後のキャリアで苦しんだ苦労人。今からステップアップしてもおかしくない逸材なのだが、2021年から加入するアル・シャマルは降格圏ギリギリを彷徨うカタール国内でも規模の小さいクラブ。故にそこまで名声は得ていない。

後方から組み立てを行うJクラブが最も欲しがりそうなタイプのCBであることは間違いない。カタールの帰化要件を満たす前に、またサウジアラビア勢が動く前にぜひ獲得しておきたい優良外国籍選手だ。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ドミニク・ライマン

Dominik Reimann

国籍:ドイツ
ポジション:GK
年齢:26歳
所属: 1.FCマクデブルク(GER)

卓越した足元のテクニックとパスセンスを持つ現代的GK。

名門ボルシア・ドルトムントの下部組織で育成され、そのままトップチームへ昇格。出場機会がなくその後は2部クラブへ移籍し、現在まで2部を舞台に活躍している。

2部リーグ所属ながら、ビルドアップ能力はドイツ国内屈指の呼び声が高い。185cmと欧州のGKとしてはサイズがやや不足している点やシュートストップ技術等で課題があるものの、ビルドアップを重視する傾向にあるJリーグとの相性は良好だ。

横浜FCの元U-23ドイツ代表GKスベンド・ブローダーセン(26)に続くドイツ人GK誕生なるか。市場価値を考慮しても獲得に動くJクラブがあってもおかしくはないだろう。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ルーカス・グガニク

Lukas Gugganig

国籍:オーストリア
ポジション:DF
年齢:28歳
所属:SCラインドルフ・アルタッハ(AUT)

オーストリア1部リーグのSCラインドルフ・アルタッハに所属する191cmの大型CB。

競り合いの強さに定評があり、守備時はもちろん、セットプレー時には得点源としても機能する。守備的MFもこなすユーティリティー性も高い評価を受けている。

オーストリアの強豪レッドブル・ザルツブルグのアカデミーで育成され、各年代のオーストリア代表に選出されたエリート。ドイツのSpVggグロイター・フュルト在籍時代には元日本代表MF井手口陽介(27)と共にプレーした。

SCラインドルフ・アルタッハではバリバリのレギュラーだが、守備陣のテコ入れにはうってつけの人材。欧州方面の選手をリサーチしているJリーグのクラブのスカウト網に引っかかっていそうな外国籍選手だ。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

シェイン・パティナマ

Shayne Elian Jay Pattynama

国籍:インドネシア
ポジション:DF
年齢:25歳
所属:バイキングFK(NOR)

今年3月にインドネシア代表デビューを果たした180cmの左サイドバック。

懐深いボールキープと攻め上がりが武器で、左足の精度も高い。元々MFとしてプレーしていたせいか、インナーラップからゲームをコントロールする術にも長けている。

オランダで生まれ育ち、かつて日本人選手も在籍したFCユトレヒト、SCテルスターでプレー。2021年からは活躍の場をノルウェーへ移した。現在までレギュラーとして躍動しているが、ルーツのあるインドネシア代表を選んだ今後は移動面で負担を強いられることになり、Jリーグからのオファーがあった際は応じる可能性が高い。

ノルウェーリーグはJリーグと同じ春秋制。契約を終える今冬はアジアのクラブを巻き込んだ争奪戦に発展しそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ルイス・オヤマ

Luís Felipe Oyama

国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:26歳
所属:ゴイアスEC(BRA) ※ボタフォゴFR(BRA)からのローン

サンパウロ州出身の日系ブラジル人選手。

中盤セントラルの位置からゲームをコントロールするプレーメーカー。往年の中田英寿氏を彷彿とさせるプレースタイルで、鋭いスルーパスで攻撃にもアクセントをつけることが出来る。

名門ボタフォゴに在籍しながら、昨シーズンはベルギー2部リーグのRWDモレンベーク、今シーズンは7月からブラジル1部のゴイアスECへローン移籍中。ところがゴイアスでもレギュラーで活躍しているとは言い難く、ベンチ入りの日々が続いている。

ボタフォゴとの契約は2025年までとのことで、来シーズンも他クラブへローンとなる可能性が高い。現在までにJリーグ入りの噂はないが、新たなキャリアの地として所縁のある日本のJリーグを選択する可能性は十分あるだろう。今冬はJ1、J2含め獲得に興味のあるクラブが出てくるかもしれない。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

レオ・アスンプソン

Léo Assunpção

国籍:ブラジル
ポジション:DF
年齢:21歳
所属:PSTC(BRA)

エアバトルに無類の強さを誇る197cmの超大型CB。

水準以上のビルドアップ能力も魅力。名前を見てピンときた方もいるかと思うが、かつて千葉県の翔凛高校に留学生として在籍しており、1年時の2020年全国高校サッカー選手権千葉県予選ではレギュラーとしてチームの決勝進出に貢献した。

その後ブラジルへ帰国し、ロンドリーナを経て現在はパラナ州リーグのPSTCに在籍中。伸び代は抜群で、今後Jリーグのクラブが獲得に動くかもしれない。

プレー次第では今後大化けもありうる逸材だ。

【関連記事】この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2023-24年/アタッカー編)

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★

© 株式会社ファッションニュース通信社