青森県病・市民病院統合 新病院位置「3候補地を軸」変わらず 青森市が検討会議初会合

統合新病院整備場所等検討会議であいさつを述べる西市長
統合新病院の整備場所について意見を交わす検討会議のメンバーら

 県立中央病院(青森市東造道)と青森市民病院(同市勝田)の統合新病院整備を巡り、市は20日、市役所で整備場所などを検討する会議の初会合を開いた。会議では3候補地(旧青森商業高校・県病敷地エリア、青い森セントラルパーク、県総合運動公園)を軸としつつ、交通アクセスや広さを考慮し、郊外の私有地も検討対象に加えることを決めた。必要な議論をしていくとして、会議の期限は設けなかった。

 「検討会議」は学識経験者、医療関係者、地域住民ら12人で構成。座長には足達健夫・青森公立大学准教授が選任された。検討会議では候補地を1カ所に集約せず、3候補地と私有地それぞれについて有識者の意見をまとめ、統合新病院の基本構想・計画の内容を協議する県と市の「有識者会議」(10月末設置)に提示する。

 検討会議では統合新病院の整備に望ましい場所、周辺の公共交通、現市民病院の利活用などについて議論する。

 3候補地については、広さ、交通アクセス、駐車場の確保などで課題があるとの意見も出たため、私有地も検討に加えることとした。ただ、地権者がいて特定の土地を示すのが難しいことから、あくまで参考程度に整備できるエリアがあるかどうかを含め、可能性を検討する。

 会議後の取材に足達座長は私有地について「3候補地を軸にするのは変わらないが、念には念を入れて市街地の外側にある郊外エリアを検討対象に加える。(建築物の設置が原則認められない)市街化調整区域になると思うが、参考までに一つのエリアとして可能かどうか検討する」と述べた。

 宮下宗一郎知事は9月、統合新病院の整備場所や交通アクセスに関し、青森市がまちづくりの観点を踏まえて主体的に検討するよう要請し、西秀記市長と合意している。

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