“翔んで埼玉”公開で「埼玉県人の生活」満喫サービス誕生 東京都民の迫害再現、演出に熱を注いだ温泉道場 “そこらへんの草”登場の「日本埼玉化計画コース料理」地元の魅力詰まった逸品だった

県産食材をふんだんに使ったコース料理「日本埼玉化計画コース」=越生町上野のオーパークおごせ

 23日に公開される映画「翔(と)んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」に合わせ、温浴施設を運営する、埼玉県ときがわ町の温泉道場(山﨑寿樹社長)は、同作とコラボした企画を期間限定で実施している。越生町の「オーパークおごせ」では、作品の世界観に浸れる客室が登場。劇中のせりふにちなんだコース料理の提供など、「埼玉県人の生活」が満喫できるサービスを展開している。

 「埼玉関所」の看板がかかる囲いの先にあるのは、物寂しさが漂う小屋風の建物。既存のログキャビンを改装した「おんぼろグランピングルーム」は、東京都民から迫害を受けた埼玉県民が貧しい暮らしを強いられる、物語の象徴的なシーンを再現した。

 室内は薄暗い明かりで、布団など最低限のアイテムのみ。壁に「友情」「平等」といった格差撤廃の訴えや、海への憧れから「刺身」という書も貼られている。施設内の高級客室「サウナスイートキャビン」からも偶然見下ろされる位置にあり、身も心も悲壮感に包まれながら、映画の雰囲気を味わえる。

 11月中旬からは、撮影で使用した小道具も設置予定。1日2部屋限定で、1部屋最大5人まで宿泊可能。料金は税込み1万9800円から。

 映画公開を記念した埼玉愛あふれる「日本埼玉化計画コース」は、料理全5品で県産食材を使用。埼玉新聞にくるまれた県産野菜を、お客さまに見せる演出から始まり、地元の魅力が詰まった逸品を楽しめる。

 「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」のせりふにちなみ、水菜を使った「そこらへんの草の生春巻き」や、深谷ねぎや里芋をはじめ、バゲットに草加せんべいを添えた「灼熱(しゃくねつ)の熊谷アヒージョ」などを提供。メインの秩父名物「わらじかつ」は、サイボク(日高市、笹﨑浩一社長)の「ゴールデンポーク」を使用する。料金は税込み4980円。3日前までに要予約。

 作品とコラボした「替わり湯」を系列7拠点で展開するほか、第2弾企画も発表。山﨑社長は「温泉道場らしく一緒に作品を、そして埼玉を盛り上げたいという思いをぶつけ実現した。多くの方に楽しんでもらえたら」と話す。

「埼玉関所」の看板がかかる囲いの中で楽しめる「おんぼろグランピングルーム」=越生町上野のオーパークおごせ

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