覚醒剤密売人の被告、収益月200万超 青森地裁で初公判

 青森県南地方などで覚醒剤を繰り返し密売したとして、覚醒剤取締法違反(営利目的所持、譲り渡し)と麻薬特例法違反(業としての覚醒剤譲り渡し、譲り渡し)の罪に問われた八戸市柏崎4丁目、無職の被告の男(77)は20日、青森地裁(藏本匡成裁判長)で開かれた裁判員裁判初公判で、起訴内容を認めた。

 公判は今年1月から行われていたが、検察側が6月に特例法違反の業としての覚醒剤譲り渡しを罰条に加えて訴因変更したため、裁判員裁判に切り替えて審理する。争点は量刑。

 検察側は冒頭陳述で、かねて覚醒剤の密売を繰り返していた被告は、2019年12月に刑務所を出所後、密売を再開した-と指摘。密売で月200万円以上の収益を得ており、逮捕された22年10月までに、「少なくとも総額約2470万円を売り上げた」と述べた。

 証拠調べでは、被告の車のほか、八戸市内の屋外トイレの床下、他人の敷地にある廃車内などから密売用の覚醒剤計131袋(計31.148グラム)を押収したことを明らかにした。

 一方弁護側は、1979年に刑務所で知り合った売人に誘われ、密売を始めた-と説明。何度もやめようとしたが、顧客から頼まれると断れず「積極的犯行ではなかった」と主張した。

 起訴状、追起訴状などによると2022年9月30日から10月28日までの間、八戸市で男女7人に対し、業として覚醒剤を譲り渡したほか、営利目的で同市内で覚醒剤を所持したとされる。

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