自由な心象世界を表現 彫刻家・圓鍔勝三展 美術館開館30周年を記念して 広島・尾道

文化勲章を受章した彫刻家・圓鍔勝三の作品を展示している広島県尾道市の美術館で、開館30周年の記念展が開かれています。

尾道市御調町の圓鍔勝三彫刻美術館は、1993年に開館しました。記念展は圓鍔の功績を振り返る展示でおよそ70点が並んでいます。

「砂浜」

裸の少年が右手に亀を持っています。圓鍔が41歳の時に制作し、第2回「日展」で「特選」に選ばれた作品です。長男がモデルになっています。

圓鍔勝三彫刻美術館 松本香菜子 学芸員
「家族をモデルにした作品にはすごく平和な心・家族愛が込められた作品になります」

「北きつね物語より」

圓鍔作品は詩的でロマンチックなのも特徴です。76歳のときの作品「北きつね物語より」です。巣立ちを迎えたキツネや巣離れできないキツネをかたどり、木の上から「親」が優しく見守っています。

この他、彫刻を作るための「構想図」や実際に使用した彫刻刀も展示されています。

松本香菜子 学芸員
「(圓鍔は)自由な心象の世界を表現した作品も多く制作していますので、そちらの方もたくさん見ていただきたいです」

記念展は12月10日まで開かれています。

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