ソン・シギョン 新アルバム「こんなに君を」リリース!音楽が時とともに変化しても「僕はその真ん中にいる」

韓国で〝バラードの皇帝〟と呼ばれる歌手のソン・シギョンが、日本でキングレコード移籍第1弾となるニューアルバム「こんなに君を」を11月22日にリリースする。現地韓国で、長きにわたり第一線で活躍し続けながら、2017年に日本デビューを果たし、独学で習得したという日本語でその美声を届けている。

そんなソン・シギョンが、本作プロモーションのために来日。ニューアルバムの制作秘話を聞くべくインタビューを行ったのだが、なんだか話がどんどん違う方向へ…?

ソン・シギョン

―久しぶりの日本でのリリース、どんなお気持ちですか?

ソン・シギョン「もうアルバムは完成して僕の手から離れているので、気持ちとしては〝人事を尽くして天命を待つ〟ですね。もちろん、曲を聴いて楽しんでほしいという期待や思いはありますが、どう感じ取るかは、購入して聴いてくださった方のものだと思ってます」

―楽曲制作にあたり、気を付けたりすることなどあったら教えてください。

ソン・シギョン「いつも念頭に置いているのは〝彼女に贈るプレゼント〟というイメージです。特定の人を思ってとかではなく、あくまでわかりやすい例で言うとですよ(笑)。頑張って働いてお金を貯めて、プレゼントを買う、プレゼントは気に入ってもらえるだろうか、どんなタイミングであげたら喜んでくれるだろうか、その時の事をたくさん考えて悩んで…。イベント当日のことを、あれこれ考える時間って幸せじゃないですか。そんな気持ちを歌にして届けたいなと、幸せな気持ちで作品作りをしています」

―今作のタイトル曲「こんなに君を」と収録曲の「ただ...」は、日本で数々の名曲を生み出した松井五郎さんとのタッグでした。

ソン・シギョン「ご縁があって、ご一緒する機会をいただきました。実際にお会いしたんですが、大御所感などなくて、とても渋くてすてきな人でした。どんなメロディーを作っても、絶対にすてきな歌詞をつけてくださるという、絶対的信頼感をより持たせてくれました。ゲームの主人公だったら、すごく強い仲間、武器を持たせてもらったような心強さです」

―実際に完成した楽曲を聴いて、どんな感想を持たれましたか?

ソン・シギョン「もちろん、とてもすばらしいと思いました。でも若かったころよりは、今回に限らず完成した楽曲に対して、何か激しく感情が揺さぶられるということはなくなった気がします。こういう時に、自分は老けたなあと(笑)」

ソン・シギョン

―4月で44歳になられました。体をはじめ、ご自身に変化を感じているのでしょうか。

ソン・シギョン「日々、衰えを感じています、回復ができない(笑)。親戚に有名な精神科医がいるんですが、夜眠れなくて悩んでいた時〝ドラマみたいに、日の光を浴びながらさわやかに起きてみたい〟って相談したんですよ。そしたら〝残念ながら、その年ではもう無理だ。来世に期待しろ〟と言われました(笑)。僕のように40代を迎えたら、今持っている体力や免疫力を、衰えさせないように生きることが課題なんですって…自分で言ってて悲しい(笑)。幸いなことに、人間の肉体で声帯が最も老化の進みが遅いんだそうで、歌手としては頑張れそうなんですけど、僕の場合、お酒をものすごく飲むから、歌手人生はそんなに長くないかもしれません(笑)」

―ソン・シギョンさんと言えば〝お酒〟というワードが切り離せない印象があります。ソン・シギョンさんにとって、お酒はどんな存在ですか?

ソン・シギョン「僕は食べることが好きだから、料理とのマリアージュかな。お酒なしでのクッパとか、お刺し身とか、カムジャタンとか、ありえない。お酒がなかったら…キスより先にいけない関係みたい(笑)。そして今になって思うのは、お酒は逃げ場所でもあったんですよね。職業柄、外に出ればいろいろな視線に耐えなければいないし、一挙手一投足に神経を使わなければならないじゃないですか。お酒を飲まないと、そういう厳しい現実に向き合いきれないんですよね。飲酒すれば心がおおらかになるし、悩み過ぎずに〝ま、いっか〟と思える。それでもお酒は、自分がコントロールできるくらいの飲み方がベスト。醜態をさらしてはいけません」

―お酒を飲まない人は、そんなソン・シギョンさんの思いが共感できなくて残念です。

ソン・シギョン「でもお酒を飲まない方が、日常生活でできることたくさんありません? 僕禁酒したことありますけど、時間ってこんなにたくさんあったんだ! って気が付きましたもん(笑)」

―だいぶお酒の話で盛り上がってしまいました、少し音楽の話に戻りますね。

ソン・シギョン「いや戻らなくていいですよ、もうお酒特集にしましょう(笑)」

ソン・シギョン

―(笑)。デビューから二十数年、激動の音楽の移り変わりを見つめ、体感してきたと思います。

ソン・シギョン「アーティストとファンの距離感が、変わりましたよね。僕にとって有名人は、手の届かない孤高の存在でした。その業界に今身を置いている僕は、アイドルでもなく、ロックスターでもなく、その真ん中にいると思っています。ただ〝アーティスト〟と言っても、同じ職業というカテゴリーではなくなったような気がします。世代によっては、音楽は〝聴く〟というより〝消費〟する時代になったんだなと実感していますし。今のK-POPアイドルを見ていると、大変そうですもん。背負う役割が増えたと思いますよ、接触イベントとか〝推し活〟スケジュールとかね。そういえばアニメの『推しの子』…面白かったなあ(笑)」

―歌そのものも、多様化したのかもしれませんね。

ソン・シギョン「新しい遊びだと思えばいいのかもしれないですね。今の音楽は」

―9月の「横浜合同演奏会2023」では、憧れの小田和正さんの楽曲をカバーされました。

ソン・シギョン「すごく楽しい幸せな時間でした。公演が終わって、小田さんに楽屋でごあいさつした後に握手したら〝手が冷たいね〟って。そりゃあ、緊張しますよね(笑)。70歳を超えられても元気で活躍されていて、とてもかっこいい。そんな小田さんが、本当に好きです」

―70歳超えても歌い続けるソン・シギョンさんを、ファンの皆さんは見たいと思いますよ。

ソン・シギョン「…30年後の未来の話は、やめましょう。明日が来るのが怖いくらいなのに(笑)」

ソン・シギョンがキングレコード移籍第1弾ニューアルバム「こんなに君を」を11月22日にリリース

◆ソン・シギョン(そん・しぎょん)〝バラードの皇帝〟〝鼓膜彼氏〟の異名を持つ、韓国を代表するシンガー・ソングライター。本国では歌手活動のみにとどまらず、MC、DJ、タレントなど、多能エンターテイナーとして活躍中。日本ではNHK Eテレ『ハングル講座』にレギュラー出演した他、独学で身につけた日本語を軽妙に操り、日本テレビ系「しゃべくり007」や「有吉反省会」など、バラエティー番組に出演を果たした。

「こんなに君を」ジャケット写真(左から)通常盤、初回限定盤、完全限定生産LP

「こんなに君を」2023年11月22日 リリース
<初回限定盤>KICS 94130/\8800(税抜\8000)
【CD】
M1.こんなに君を(作詩:松井五郎/作曲:PSY)
M2.沈黙の音色(作詩:Soflan Daichi/作曲:Ziyoon)
M3.ふれる(作詩:Soflan Daichi/作曲:Cho dong ik)
M4. Kaleidoscope(作詩:Soflan Daichi/作曲:松尾昌樹)
M5.ただ...(作詩:松井五郎/作曲:ソン・シギョン)

【Blu-ray】
撮りおろしスペシャルライヴ&トーク映像収録
①君は僕の春[너는 나의 봄이다](ノヌン ナエ ボミダ)韓国ドラマ「シークレット・ガーデン」OSTより
②オリジナルメドレー
③こんなに君を
■特別仕様:スリーブつきトールケース入りポストカードセット(5枚)封入

<通常盤>
KICS 4130/\3080(税抜\2800)
【CD】初回限定盤と同内容

<完全限定生産LP>2023年12月20日発売
KIJS 90040/\4400(税抜\4000)
【LP】初回限定盤CDと同内容

■CD購入者 特典情報
<初回限定盤CD>A4 クリアファイル+シリアルナンバー入り応募券
<通常盤CD>シリアルナンバー入り応募券
<完全限定生産LP>オリジナル紙コースター

▼詳細はこちら
https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t14074

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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