ホームの端に近づくと音でお知らせ 視覚障害者の転落防止システムの実証実験 岡山大が開発

視覚障害者が安心して駅を利用できるよう岡山大学がホームや階段からの転落を防ぐシステムを開発しました。21日、JR岡山駅でシステムの実証実験が行われました。

(実証実験の様子)
「ピピっと鳴りましたね今」「その辺で振動しますよね、杖の方が」「端が近いですよ。ゆっくり行ってくださいね」「ここです」

転落防止のシステムを開発したのは、岡山大学の岡安光博教授のグループです。

階段の手前やホームの端など注意が必要な場所にマットを置き、そこに専用のタグを持った人が近付くと音で危険を知らせます。マットから出ている磁界の変化をタグが検知しているということです。

(記者リポート)
「こちらの装置、マットに近づくにつれて音のピッチが速くなります」

杖には地面との距離を測るセンサーが付けられていて、振動で段差などを知らせてくれます。

21日、JR岡山駅で行われた実証実験には、目に障害のある4人が協力しました。

(実証実験の参加者は―)
「近づいたときにピピピっと速さが変わったときに『あっ』て思わされるので、その感じはいいなと思いました」
「自由に歩くには頭の中に地図を作る必要があるんですよね。地図を作るのにものすごく役に立つんじゃないかなと」

JR西日本によりますと、10月、岡山県内の駅で視覚障害者がホームから転落する事故があったということです。

岡安教授は視覚障害者から出た意見をもとにシステムの改良を重ね、実用化を目指したいとしています。

(岡山大学 工学部/岡安光博 教授)
「体に不自由を持っている方に対してもう少し多くの方に目を向けてほしい。これからどんどんみなさんに役立つような技術を開発していけたらと思っています」

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