ユーロ本大会お預けも…ウクライナ代表指揮官は胸を張る、終盤の物議判定には「決めるのは我々ではない」

ウクライナ代表を率いるセルゲイ・レブロフ監督[写真:Getty Images]

ウクライナ代表のセルゲイ・レブロフ監督が結果を潔く受け入れた。ウクライナサッカー連盟(UAF)が伝えた。
【動画】ウクライナvsイタリア、同点の終盤でPKか否かという際どいシーン

20日、欧州選手権(ユーロ)2024予選グループC最終節のウクライナ代表vsイタリア代表が、ドイツのバイ・アレーナで行われた。

グループ2位のイタリアと、3位のウクライナ。勝ち点13で並ぶ両者の一戦は、両守護神の好守が光り、0-0のドローに。得失点差で上回ったイタリアが2位を死守して本大会出場を決めた。

試合終了間際の後半アディショナルタイム3分には、ウクライナのMFミハイロ・ムドリクがイタリアのブライアン・クリスタンテとボックス内で接触し、転倒。しかし、ホイッスルは鳴らず、オン・フィールド・レビュー(OFR)も行われなかった。

ウクライナ『Viaplay Sports』は「ミハイロ・ムドリクが終盤のスポットキックを拒否され、イタリアが決勝進出」とのこの場面を伝えたが、レブロフ監督は思いのほかさっぱりとした様子。

UAFでは「確かにVARもあり、私から見ればペナルティだと思ったが…それを決めるのは我々ではない。おそらくVARから見て、ファウルに該当するとは考えなかったのだろう」と、試合中こそ落胆した表情を見せたが、率直な意見を述べながらも、判定には大きな異議を唱えなかった。

試合前には欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンダー・チェフェリン会長がイタリアメディアに対し、「イタリアがユーロ2024への出場権を獲得しなければ大惨事になるだろう」とのリップサービスを行っていたことから、イギリス『デイリー・メール』では会長の発言と終盤の判定を引き合いに出し、「物議を醸す形でイタリアがユーロの出場権を獲得」と綴っている。

レブロフ監督は「この素晴らしいスタジアムでプレーする機会を与えてくれたレバークーゼンとドイツに感謝します。国歌斉唱中は素晴らしい雰囲気が漂い、イタリアの方々も我々に拍手を送ってくれました。とても感慨深いです。この試合は多くの国で放映されましたし、イタリアもウクライナに敬意と支持を示してくれました。本当に素晴らしい雰囲気でした」と、開催地として手を挙げたドイツや対戦国にも謝辞。

ロシアからの軍事侵攻を受ける困難な状況にあっても、ストレートインとはならなかったが、プレーオフまではこぎ着けた。「我々は皆、自分たちが強い国の代表であることを自覚しており、それをピッチ上でも示しました。品性を示し、国のために戦いました。約半年間一緒に頑張ってきた選手たちに感謝しています」と胸を張った。

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