【カンボジア】来年の実質昇給率は2.2%、英ECA予測[経済]

英人材調査会社ECAインターナショナルによると、カンボジアの来年の実質昇給率は2.2%と、アジア太平洋地域の平均と同水準を維持する見通しだ。東南アジア主要国では6番目に高い伸び率となる。クメール・タイムズ(電子版)が21日に伝えた。

ECAが先に発表した世界の給与動向に関する報告書によると、カンボジアの伸びを上回った域内主要各国の昇給率は、◇インドネシア(昇給率4.3%)◇ベトナム(同3.6%)◇タイ(3.4%)◇マレーシアとフィリピン(2.3%)——。インドネシアの昇給率は、世界でもインドの5.1%に次いで2番目に高い水準となり、中国の4.1%を上回った。地域別では、アジア太平洋が2.2%、北米・南米が2%、欧州が0.9%、アフリカ・中東が0.8%となっている。

世界銀行のエコノミストは、カンボジアの今後の給与動向について、「現在は公共部門の平均賃金が民間部門の水準より19%近く上回っているが、数年以内に民間部門の平均賃金が大幅に上昇する」と予想。観光サービス企業の人事担当者は、人手不足などによりホテル部門を中心に賃上げの機運が高まっているため、観光分野の昇給率は来年10%以上に達する可能性が高いとの見方を示した。

カンボジアのフン・マネット首相は9月28日、来年1月から適用される縫製・履物・旅行用品業界の最低賃金を月204米ドル(約3万152円)に引き上げると決定した。今年の200米ドルから4米ドル上昇(上昇率2%)となる。ECAは、名目の昇給率に物価変動の影響を加味して実質昇給率を算出した。

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