【ミャンマー】昭和HD、東南ア事業不振で営業外費用計上[経済]

ゴム製品などを手がける昭和ホールディングス(HD、千葉県柏市)は14日に発表した2023年4~9月期決算で、ミャンマーをはじめとする東南アジアでの事業不振を受け、2億4,300万円の営業外費用を計上したと発表した。

昭和HD傘下のウェッジホールディングスのタイ金融子会社で、バイクローンなどデジタル・ファイナンス事業を展開するグループリース(GL)の4億8,302万円ののれん代を全額減損としたためと説明した。これを受けて昭和HDは、営業外費用に持分法による投資損失を計上した。

GLが同事業を展開する地域のうち、ミャンマーやラオスなどは新型コロナウイルス禍以降、極端な通貨安や政情不安に直面。経済苦境にある現地では、輸入バイクの価格が急上昇して顧客の購買意欲が減退したほか、返済能力の低下したことを受け、バイクローン事業が縮小した。リスク管理の一環として新規貸し付けを抑制したことで、現地での営業貸付金も減少したという。

昭和HDは、今回のれんの減損を行ったことで継続的なのれん代の償却がなくなり、利益押し上げ効果があると強調。ミャンマーでは堅調な個人への直接貸し付けを進めるなど、国別の状況に応じた新たな再成長戦略を展開すると説明した。

こうした結果、バイクローンなどを含む昭和HDのデジタル・ファイナンス事業の4~9月期の実績は、売上高が前年同期比11.9%増の21億4,513万円。最終損益は3億1,206万円の赤字に転落した。前年同期の最終損益は2,749万円の黒字だった。

同期の昭和HDの連結業績は、売上高が20.3%増の47億1,500万円、最終損益が1億4,535万円の赤字だった。

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