【マレーシア】首都で発泡日本酒商談会、若年層を取り込み[食品]

開会式に出席した高橋克彦駐マレーシア日本大使(左から2人目)とawa酒協会の永井氏(左から3人目)=21日、クアラルンプール(NNA撮影)

日本の国税庁は21日、スパークリング日本酒を醸造する日本各地の蔵元で構成された一般社団法人、awa酒協会と連携して、マレーシアの首都クアラルンプールで商談会を開催した。awa酒協会が日本以外で商談会を開催するのは初めて。若年層をターゲットに消費拡大を目指す。

商談会はクアラルンプール中心部のホテル「ザ・ルーマ」で開催された。20蔵以上がスパークリング日本酒を出品し、マレーシアの輸入業者やレストラン事業者に商品提案を行った。

開会式に出席した高橋克彦駐マレーシア日本大使は、日本からの日本酒の総輸出量と、マレーシアへの輸出量は、同様のペースで大幅に増加していると説明。マレーシアの日本食レストランは約1,900店に上っているが、提供されている日本酒の種類が限られていることから、「(商談会に)20蔵以上が参加したことをうれしく思う」と述べた。

awa酒協会の永井則吉代表理事は、アジアは若年人口が増えているほか、米食文化があることから、スパークリング日本酒に商機があると説明。日本酒の市場は95%が日本となっており、輸出を含めた海外市場は5%にとどまっているとした上で、「世界で認めてもらうことで価値が上がる。協会が日本酒拡大のスターターとなる」と意欲を示した。

既にマレーシアでも取り扱われている「浦霞」の蔵元である佐浦(宮城県塩釜市)は、初めてのスパークリング日本酒の輸出を目指す。佐浦弘一社長兼マーケティング本部長は、マレーシアは人口の6割がアルコール飲料を禁忌とするイスラム教徒(ムスリム)だが、飲酒する中華系の消費者だけでなく観光客が多いことから、市場の潜在性は大きいと指摘。「既に弊社の日本酒を取り扱っている販売業者に注文してもらい展開することで、ブランド全体のイメージアップに努めたい」と述べた。

20蔵以上がスパークリング日本酒を出品し、マレーシアの輸入事業者やレストラン事業者に売り込んだ=21日、クアラルンプール(NNA撮影)

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