魅了される一幅の絵画のような美しさ 足利で国登録記念物の庭園を特別公開

特別公開された新藤氏庭園

 【足利】庭園文化の保存などに取り組む市民グループ「足利庭園文化研究会」は19日、市内3カ所の庭園の特別公開を行った。猛暑と残暑の影響で紅葉の色づきは遅れているものの、来園者は一幅の絵画のような美しさに魅了された。

 公開したのは、国登録記念物(名勝地)の物外軒(ぶつがいけん)庭園(通6丁目)新藤氏庭園(山下町)巖華園(がんかえん)(月谷町)の3カ所。同会は庭園の維持管理に役立てる目的で、御朱印を模した「御庭守之印(おにわもりのいん)」を販売した。

 新藤氏庭園は、織物業と金融業で財を成した新藤氏が明治末期に造成した。高低差5メートルの敷地を生かして、滝や池、築山などでダイナミックな景観を形成している。

 2階建ての離れから庭を見下ろす形式で、市内では他に例を見ないという。作庭当初からの姿を残し、関係者は「足利の歴史や文化を語る上で欠かすことのできない文化財」と位置づけている。

 家族と訪れた筑波小2年浜田千咲(はまださき)さん(8)は「紅葉が水に映りきれいです」と笑顔を見せた。

特別公開された新藤氏庭園

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