馳知事の参考人招致要求 五輪機密費発言受け立民

 馳浩知事が東京五輪の招致活動で国際オリンピック委員会(IOC)委員に、内閣官房報償費(機密費)を使って贈答品を渡したと発言したことを受け、立憲民主党は21日の衆院予算委員会で、馳知事の参考人招致を求めた。予算委理事会は継続協議するとした。

 立民の安住淳国対委員長は「五輪全体のイベントは汚職まみれだったが、誘致も金まみれだったのか調べないといけない」と国会内で記者団に述べた。

 馳氏は17日の講演で、1冊20万円のアルバムを全員分作成したと言及、後に「事実誤認もある発言だった」として撤回した。安住氏は「アルバムが本当に出てきたら、機密費の使用が事実になる」と指摘。関係者への贈り物や便宜を禁じたIOCの倫理規定に抵触するとの見解を示した。

 共産党の小池晃書記局長は会見で「国際的な問題になりかねない。徹底的な解明が必要だ」と問題視。国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で「軽く見るべきものではない。国会でも証言いただかないといけないかもしれない」と語った。

 機密費は官房長官が支出の可否を判断する。松野博一官房長官は衆院予算委で「国の機密保持上、使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきた」と説明した。

  ●JOC「コメントはない」

 日本オリンピック委員会(JOC)の三屋裕子副会長は21日、東京都内で取材に応じ、馳知事の発言について「撤回されている話にJOCとしてコメントできることはない」と話した。

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