3年前から不正か 志賀・贈賄疑い工務店 20年以降11件落札、ピタリ2件

小泉勝容疑者

 志賀町発注工事の入札を巡り、贈賄などの容疑で逮捕された米木(よねき)義則容疑者(68)が代表取締役の米木工務店(同町)が、2020年ごろから工事を相次いで落札し始めたことが21日、関係者への取材で分かった。同年以降に11件を落札し、うち2件が最低制限価格と同額だった。これ以前、米木容疑者は「落札できない」と周囲に話しており、石川県警は3年前ごろから、町長の小泉勝容疑者(57)に便宜を依頼した可能性があるとみて調べる。

  ●米木容疑者「次は自分」

 米木容疑者は逮捕前、北國新聞社の取材に「夏ごろに警察が来たのは間違いないが、何も話すことはない」と述べた。ただ、青谷工業(志賀町)社長の青谷武被告(83)=贈賄などの罪で起訴=らの逮捕を受け、「次は自分(が逮捕される)」と周囲に話していたという。県警の任意聴取には「町長に現金を渡した」と贈賄容疑を認める趣旨の説明をしている。

 複数の関係者によると、米木工務店では20年以前は受注が少ない時期があり、米木容疑者が知人らに不安を漏らしていた。米木容疑者を知る60代女性は「(容疑者は)工事を受注できないから『神社にお参りに行ってくる』と言い、その直後に落札していたことがあった」と振り返った。

 町の入札記録によると、同社が落札した町発注工事は20年4件、21年4件、22年2件、23年1件。このうち、最低制限価格と同額が2件、1100円差が2件、2200円差が2件あった。県警はこうした記録を調べ、他の入札でも不正がなかったか調べている。

  ●米木工務店を志賀町指名停止

 志賀町は20日から米木工務店を12カ月間の指名停止とした。

米木義則容疑者
金沢地検に入る小泉容疑者を乗せた車両=21日午前9時48分、同地検前

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