鎮魂の日本庭園、陸前高田に整備へ 市と協会、浸水域未利用地に

「鎮魂の庭」の整備予定地を指さし「にぎわいが戻ってほしい」と期待する菊池満夫会長=20日、陸前高田市気仙町今泉地区

 日本庭園芸術協会(東京、北山安夫代表理事)と陸前高田市は、気仙町今泉地区の津波浸水域で未利用が続く造成地に、日本庭園の整備を計画している。緑豊かな空間で東日本大震災の犠牲者を思い、人々が交流を温める場とする、名付けて「鎮魂の庭プロジェクト」。資金や苗木など幅広く善意を募りながら約10年かけて、じっくりと環境を整えていく。

 「生きている人、亡くなった人。みんなが集い、語らう場にしたい」。市役所で20日、北山さん(74)は佐々木拓市長と記者会見に臨み、概要を説明した。

 予定地は気仙川沿いの今泉地区の土地区画整理事業エリア(事業面積112ヘクタール)にある1.5~3ヘクタール。設計はこれからで、津波に流された石や地元の木材などの活用も検討していく。

震災津波が襲い、壊滅的被害を受けた気仙町今泉地区の周辺=2011年3月27日

 

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