岩手県交通のバス、24年4月に大幅減便を検討 深刻な乗務員不足

岩手県交通の路線バス=22年2月18日、盛岡市青山

 岩手県交通(盛岡市、本田一彦社長)が来年4月に大幅な減便を検討している。バス運転手の残業規制が強化される「2024年問題」を巡り、深刻な乗務員不足が見込まれるため。県南で産業集積が進み、業界を超えた人材獲得競争が過熱する中、待遇改善を進めても確保のめどが立たない状況だ。本格的な検討はこれからだが、県民生活への影響が懸念される。

 高橋寛寿金ケ崎町長と金ケ崎高の生徒らは21日、県交通を訪れ、来年3月末に廃止予定の路線バス「北上金ケ崎線」と「水沢金ケ崎線」について、通学への影響が大きいとして路線維持を要望した。本田社長は「落としどころを探っていきたい」と述べるにとどめたが、慢性的な乗務員不足を解消する見通しは立っていない。

 要望後、本田社長は岩手日報社の取材に対し「人手が足りず乗務員に負荷がかかっており、来年4月には大幅なダイヤ改正もせざるを得ない状況だ」と説明。今年4月のダイヤ改正で、盛岡地区の平日の運行本数を1割減らしたが、さらなる減便が避けられないとの見通しを示した。

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