150年前の石垣高輪築堤の一部を新発見か…田町駅近く

明治時代に日本初の鉄道が開業する際に造られた堤防「高輪築堤」の一部とみられる石垣が新たに見つかりました。出土した場所は、高層ビルが建ち並ぶJR田町駅近くの線路の下でした。

港区内から出土した様々な文化財を扱う区の職員に、新たに石垣が見つかった場所に案内してもらいました。

港区教育委員会図書文化財課長 齊藤和彦さん:「このあたりになります。(Q:電車なども走っている線路ですが…この下で見つかった?)そうですね。終電後の深夜の時間帯にこちらで調査をして、そこの中で見つかった」

新たに石垣が見つかったのは、JR田町駅から100mほど離れた線路の地下4mほどの場所です。実は、こちらは羽田空港と都心を結ぶ新路線、「羽田空港アクセス線」の工事予定地で、調査の一環で試験的に掘ったところ、石垣が見つかったということです。一体、なぜ線路の下から見つかったのでしょうか?

齊藤和彦さん:「このあたりは、海の中を鉄道が走っていた場所と一致する場所。もしかしたら今回当たった石垣の石は、高輪築堤の石垣の可能性があるということ」

「高輪築堤」は1872年に新橋~横浜間に開業した日本初の鉄道が建設される時に造られた堤防です。一部の区間で用地の取得が困難だったため、海の上にレールを敷くことになり、現在の田町駅付近から品川駅付近の2.7キロの間に造られました。

その後、東京湾の埋め立てなどもあり、築堤は姿を消しましたが、2020年、高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発工事中に約900mにわたって発見されました。その一部は一昨年(2021年)、「歴史上や学術的に価値の高い遺跡」として国の史跡に指定され、現地に保存されています。

齊藤和彦さん:「もし高輪築堤の石垣ということであれば、ここの私が立っている所も線路の向こうも全部海だったということになるので、そういう意味では歴史を紐解く上で非常に重要なものが出てきたなと感じている」

港区は今後、JR東日本などと本格的な発掘調査をするかどうか、検討するということです。

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