さいたまの小学生ら収穫祭 見沼田んぼで育てた無農薬コシヒカリ、かまどで炊いて絶品の味 貴重な体験に

かまどにわらをくべて新米を炊く小学生たち

 埼玉県さいたま市内の小学生が育てた無農薬の米をかまどで炊いて味わう収穫祭が18日、同市緑区の見沼田んぼで行われた。子どもや保護者ら約160人が参加。炊き上げた新米を笑顔で頬張った。

 見沼田んぼの貴重な自然を子どもたちにつなげようと、浦和東ロータリークラブ(RC)が企画。体験型農園「ファーム・インさぎ山」の協力を得て、6月の田植えからスタート。7月の草取りや生き物観察を経て、10月の稲刈りで約270キロの無農薬コシヒカリを収穫できたという。

 この日は、簡易かまどに鉄製の釜を設置して、子どもたちが稲刈りで収穫したわらをくべて火加減を調節し、約20分かけて約22キロ分の新米を炊き上げた。釜のふたを上げると「甘い匂いがする」「ご飯が立って光っている」などの声で盛り上がった。その後、おにぎりにして新米を味わい、市内産の野菜がふんだんに入ったけんちん汁も調理した。

 会場では、稲刈りした時の稲穂のもみ殻で作る焼き芋、稲わらによるしめ縄飾りの体験も。東松山産の焼き栗も振る舞われ、晩秋を堪能する充実した一日となった。

 同市大宮区の鴨志田華綾さん(9)は「わらの火が大きくなって怖かったけどご飯がおいしくて楽しかった」。母親の京子さんは「田植えから収穫祭まで貴重な体験。お米作りには無駄がないことも学べた」とイベントに満足した様子だった。浦和東RCの大谷部雅典会長は「自然を相手に最後まで完結できて安堵(あんど)。今後も見沼田んぼをテーマに事業ができれば」と話していた。

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