治療中でも入れる保険も。がん経験者が入れる「がん保険」とは?

がん経験者にとって一番心配なのは、がんの再発・転移です。しかし、一度がんに罹患した人が、がん保険に入ることは難しいのが現状です。

医療保険では、引受基準緩和型なら告知項目が少なく、ある一定の条件を満たせば契約することができます。ただ、がん経験者がもっとも望むのは、がん保険への加入です。がん経験者やがんの治療中の方は、もうがん保険に入ることができないのでしょうか?

そんなことはありません。近年、がん経験者やがんの治療中でも入ることができるがん保険が、いくつか登場してきました。今回は、がんサバイバーのためにがん保険について説明しましょう。


がん経験者でも、ある一定の条件を満たせば医療保険には加入できる

医療保険には、引受基準緩和型医療保険や無選択型医療保険があります。無選択型の保険は、告知が不要です。また引受基準緩和型は、告知項目が一般的な保険と比べて緩く、3~6項目の告知で加入できます。

一般の医療保険でも、罹患してから5年超などの所定の要件を満たすことができれば加入することができる保険もあります。がん経験者でも、ある一定の条件を満たすことができれば、これらの医療保険に加入することができます。

一方、がん保険の告知内容をみてみると、多くのがん保険は、「いままでに、がんにかかったことがありますか」という項目が入っています。これに「イエス」と答えると、がん保険に入るのは難しくなります。

がんの場合、再発・転移の可能性があります。保険会社としては、がんになる確率が高い人を保険に入れてしまと、保険金の支払いが多くなります。それによって加入者の保険料も上がってしまうため、がん経験者はがん保険に入ることが難しいのです。

がん経験者が入れるがん保険とは

たとえば、ステージⅠで発見された場合は、一般的に再発率は低いとされています。ステージが上がって行くと再発率は高くなりますが、部位によっても大きく変わってきます。

ステージ0やステージⅠで早期発見できると、治療は比較的に難しくない場合が多く、身体への負担も少なくて済み、治療費もそれほどかからないことも多いのですが、問題は再発・転移したときです。治療が長期化することもあり、その分、治療費もかかることになりますし、働くことに制限が出るなど収入減にもつながります。

そのため、がん経験者でも加入できるがん保険があれば、とても心強いでしょう。そこで、がん経験者が入れるがん保険について具体的に説明しましょう。

・アフラック『「生きる」を創るがん保険』
加入条件は、治療を受けた最後の日から5年以上経過(所定の条件を満たす場合は3年以上経過)している場合です。保障内容は、入院・通院、治療給付金、さらに特約で先進医療・患者申出療養特約、外見ケア、特定払込免除特約などが用意されています。また付帯サービスには、がんの悩みをサポートする「よりそうがんサポート」があります。保険期間は終身です。

・太陽生命「告知緩和型がん保険」
告知項目は5項目で、がんに関しての項目は、「5年以内にがんまたは上皮内がんで入院・手術をしていないこと」です。保障内容は、がん診断給付金です。さらに保障を追加することで、治療給付金を受け取ることもできます。保険期間は10年または終身です。

・MICHIN少額短期保険「がんを経験した女性を支えるがん保険」
加入条件は、がんの手術から6ヵ月経過していることです。つまり通院中でも入れるがん保険です。20歳~69歳までの女性で、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれか(ステージ0~Ⅱ)で、各がんの再発・転移がなく、他のがんに罹患していない方が要件です。保障内容は、がん診断給付金80万円と死亡保険金です。保険期間は1年間(自動更新)です。

・セコム損保「メディコムワン」
加入条件は、20歳~65歳の女性。乳がんの経験者で現在「がん所見なし」の方。契約の条件は、ステージ0は手術から6ヵ月、ステージⅠは1年というように、乳がんのステージによって、手術からの経過期間が変わってきます。保障内容は、かかった医療費の全額補償(自由診療も全額補償)、入院・通院も補償されます。保険期間は5年(自動更新)です。

© 株式会社マネーフォワード