核兵器廃絶への思い伝える 女子大生の挑戦 

被爆地・ヒロシマの今と将来を探る「つなぐヒロシマ」です。今回は、核兵器禁止条約の第2回締約国会議に臨む1人の女子大生を紹介します。日本政府に会議へのオブザーバー参加を求め、活動を続ける思いを聞きました。

学生を前に、英語でスピーチ練習をしているのは、広島市立大学に通う大内由紀子さんです。大内さんは来週、ニューヨークで現地の人たちにスピーチをする予定です。大内さんは福山市出身。小学生の時に原爆資料館に行き、平和活動に興味を持ちました。そして2021年、高校生平和大使に任命されました。2022年は、核兵器禁止条約の第1回締約国会議にも参加し、新たな刺激を受けました。

■大内さん

「国際会議の場に集まった活動家たちは若者が本当に多くて、色々な面で核の非人道性を訴えられていることを知って広い視野を持って、こういった活動をしていきたいと思えた場の一つで」

日本は唯一の戦争被爆国。しかし、核保有国が参加していないことなどを理由に前回に続き、会議への不参加を表明しています。原爆の子の像大内さんは平和団体の代表を務めています。2023年8月末から仲間と共に日本のオブザーバー参加を求めて署名活動を行い、4万4000筆の署名を集めました。

■大内さん

「日本にはこれだけ多くの方々が オブザーバー参加を求めているということを、現地アメリカでも発信していたい」

大内さんは先週、渡米を前にある人を訪ねていました。被爆者の川野登美子さんです。

■川野さん

「禎ちゃんが生きたくても生きられなかったその思い…時には涙することもありました」

川野さんは、原爆の子の像のモデルになった佐々木禎子さんの親友であり、被爆体験の語り部をしています。大内さんが小学4年生の時に初めて聞いた被爆証言が川野さんでした。大内さんは、自分のスピーチに川野さんの思いを活かそうと語り部として伝え続けていることを尋ねました。

■川野さん

「団結と継続、この2つを実際に私たちがやったことをお話して、感じてもらうことをお伝えしてるんですよ」

川野さんのアドバイスを受け現地では若者たちに2人の思いを伝えます。

■大内さん

「世界の活動家たちは若者が多いので、そういった方々と締約国会議終わった後でも連携して団結していけるように、 新たなつながりを増やしていきたい」

活動を続けるごとに核兵器廃絶への思いを強くする大内さん。新しい挑戦に挑みます。

【2023年11月22日 放送】

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