「想像だにしなかった ショック」“いぼとり”の「水神社」湧き水からPFAS 指針値超えで「水飲むな!」の看板も=浜松市

飲むと「いぼ」を取るのに効くと言い伝えられていた水が一転、危険な水扱いとなっています。浜松市西区にある水神社の湧き水から暫定指針値を超える有機フッ素化合物=PFASが検出され、地元の人たちは湧き水を飲まないよう看板を設置しています。

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<山口駿平記者>
「神社のフェンスには、湧き水を飲まないよう呼びかける看板も設置されています」

浜松市西区の「水神社」。「水神様」として長年、親しまれてきた神社の湧き水から発がん性が疑われるPFASが検出されました。

国の安全基準でPFASの暫定指針値は1リットル当たり50ナノグラムと決められていますが、神社の湧き水からは90ナノグラムのPFASが検出されたということです。

この湧き水は「新・浜松の自然100選」の1つに数えられ、「いぼとりの薬効がある」という伝承があります。しかし、いまは「絶対飲んでは駄目」などと強い言葉で注意が呼び掛けられています。

<近くに住む人>
「地元では本当にみんなから親しまれている水ですよね。想像だにしなかったことですね、ちょっとショックですね」

水神社の湧き水は断水が発生したとき、非常用の飲み水としての利用も想定されていました。今回、検出された「90ナノグラム」という数字について専門家は、こう話します。

<京都大学大学院 原田浩二准教授>
「少しだけ口にしたということであれば、影響が大きくはないだろうと思いますが、常に使うということは望ましくない。元々、地下水というのは綺麗で、飲み水に使う地域の資産でもあったので、これ以上汚染しないという視点で発生源等の特定、その対策が必要」

PFASをめぐっては2023年8月、水神社から2kmほど離れた航空自衛隊浜松基地の周辺から高濃度のPFASが検出されています。

基地周辺の地下水を採取し調査した結果、これまでに33地点で暫定指針値を超えたことが判明していて、浜松市はPFASの発生源特定を急いでいます。

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