【タイ】飲料市場、24~26年に平均1.5~2.5%拡大へ[食品]

タイの調査会社クルンシー・リサーチはこのほど、タイの飲料市場が2024~26年にかけて年間平均で1.5~2.5%拡大するとの見通しを示した。飲食業が回復基調であることや、気温が上昇傾向にあることが背景にあるという。

クルンシー・リサーチによると、タイの飲料市場は22年時点では143億6,330万米ドル(約2兆1,230億円)で、このうちアルコール飲料が60.3%、ノンアルコール飲料が39.7%を占める。アルコール飲料のうち、51.6%がビール、41.1%がスピリッツ。ノンアルコール飲料では炭酸飲料が39.8%、19.7%がミネラルウオーター、エナジードリンクが11.3%となる。

消費量は全体で121億1,220万リットル。77.1%をノンアルコール飲料、22.9%をアルコール飲料が占める。タイで生産される飲料のうち、79%は国内で消費される。

同社はタイのノンアルコール飲料の生産見通しについて、向こう数年にわたって年間2~3%拡大すると予測。ミネラルウオーターは年間2~3%、炭酸飲料は3~4%拡大していくとの見通しを示した。観光を中心に経済が回復していくことで、メーカーは特に健康飲料の生産能力を拡充する傾向が強まるとみられる。

アルコール飲料は、年間1~2%拡大すると見られ、ビールは平均1~2%、スピリッツは横ばいか最大1%になると予想される。アルコール飲料も需要が拡大していくことが期待されている一方、エルニーニョ現象が厳しくなる見込みで、生産に悪影響を与える可能性がある。特にサトウキビやコメの価格が上昇することがマイナス要因になるという。

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